プロコフィエフの無伴奏ヴァイオリン・ソナタをリッチの演奏で聴く
作曲者 : PROKOFIEV, Sergei 1891-1953 露
曲名  : 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115 (1947)
演奏者 : ルッジェーロ・リッチ(vn)
CD番号 : DECCA/480 2086



リッチはこの曲の初演者で、この録音は多分初録音である。大体、大勢のヴァイオリン奏者のユニゾンのために着想されたというこの音楽は、バッハやイザイ、バルトーク、ヒンデミットなどの無伴奏の作品と比べるとずいぶんと作りがシンプルである。初めて聞いた時はそんなことも知らず、プロコフィエフはバッハの高みに遠く及ばないなどと不遜なことを思ったものだが、今思えばお恥ずかしい限りである。
ユニゾンで一糸乱れぬ演奏で聞くこの曲はさぞかし凄いことだろう。どこかの国のマスゲームみたいで、驚くけれど美しいとは全く思わない。私はああいったものは大嫌いだから…。みんなで右向け右なんて馬鹿馬鹿しい。個人ではなく全体主義の好むところで、私は全体主義が大嫌いだからだ。
この曲も、無伴奏のヴァイオリン一本のために最終的にまとめ上げられたことを喜びたい。それにしても初演者リッチの演奏の見事さといったらどうだ!!
単純な作りのこの曲が、凄まじい迫力で迫ってくるのだ。こうすると、音楽は一気にすごみを増してくる。易しい曲とは言わないけれど、とりわけ難しいわけでもない曲を、こんなに余裕綽々でバンバン鳴らして聞かせるリッチに爽快感さえ感じている。

写真は1960年にこの録音が行われたジュネーヴの町。当時ときっとあまりこの風景は変わらないことだろう。まだエルネスト・アンセルメが健在だった…。
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by schweizer_musik | 2011-05-25 00:05 | CD試聴記
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