ブラームスのヴァイオリン協奏曲をシェリングとパレーの映像を見る
タイトル(or 曲名) : ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77 (1878)
出演者 : ヘンリク・シェリング(vn), ポール・パレー指揮 パリ音楽院管弦楽団
DVD番号他 : EMI/DVB-4904409



1962年の収録ということで、当時のものとしても画質はかなり良くない。しかし、若々しいシェリングの演奏がポール・パレーの見事な指揮と、在りし日のパリ音楽院管弦楽団の演奏とともに見ることができるのであるから、その価値たるや計り知れないものがある。
音はモノラルながら、充分な音質で、全く問題はない。そして演奏の見事なこと!!
雄渾なポール・パレーの指揮は、想像どおりである。多分、彼のファンならばそれは誰もが想像できようが、それを全く裏切ることはない。
更にシェリングの演奏は完璧だ。私はシェリングのこの曲の演奏を5種類ほど持っている。どれもが良い演奏であとはオケの好みだけであるが、ピエール・モントゥーとのものとこのポール・パレーのものが特に好きだ。第1楽章の提示部の飄々とした風情で雄渾な音楽を表現し尽くすという、二律背反のあり得ないような世界が、奇跡的にここに生まれているのである。
当たり前のことだが、ヨアヒムのカデンツァも実に美しい演奏で弾ききっているが、やはり第2楽章の美しさは尋常のものではない。オーボエが少し音が乾きすぎている気がしないでもないが(これはローター・コッホの演奏に思い入れがある…)、その長いソロの後に入ってくる楚々としたヴァイオリン・ソロはさすがシェリングである。その表現の幅の広さ、スケールの大きさは、彼がいかに偉大なヴァイオリニストであったかの証左となろう。完璧でありながら、ハイフェッツのような厳しさだけを感じさせるものではなく、暖かな情感が端々までこもっている点がやはり良いのだ。
終楽章は先日、芸大フィルハーモニアで聞いたものほどの感銘は受けなかった(あの時はこれ以上の演奏だったのだ!!恐るべし!!)が、シェリングとパレーの演奏は名演の名に値する素晴らしいものであることには変わりない。
あまりタメを深くせず、音楽の流れが良いのが特徴だ。ただしここぞというところで、大きくアゴーギクを加えている。この呼吸の良さがシェリングらしい。舞曲風の活気あるフィナーレが田舎くさくならず、品位を保ちながら、音楽の活力を決して失わないのは、パレーの指揮の見事さもあるが、ソロの繰り出すテンポが良いからなのだろう。先日の芸大フィルハーモニアの演奏では、少しだけそのアゴーギクが重さになっていた。ここからは好みの問題でしかないが、そこはシェリングとパレーの一日の長があるようにも思える。
それにしても、先日のブラームスをまだ鮮明に憶えているのは、自分でも驚いている。あの演奏の感銘はそれほど大きかった…。

写真は更にラインフェルデンの町の風景から…。
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by schweizer_musik | 2011-06-12 22:55 | DVD/スカパー!視聴記
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