モーツァルトの「コシ…」を2006年ザルツブルク音楽祭の公演で見る
タイトル(or 曲名) : モーツァルト/歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」K.588 (1789-90)
出演者 : マンフレッド・ホーネック指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, ウィーン国立歌劇場合唱団, ラシャール・アンドリスト(cemb), アナ・マリア・マルティネス(sop/フィオリディリージ), ソフィー・コッホ(m-sop/ドラベッラ), ステファーヌ・ドグー(br/グリエルモ), ジョーン・マゼイ(ten/フェルランド), ヘレン・ドナート(sop/デスピーナ), トーマス・アレン(br/ドン・アルフォンソ)
DVD番号他 : DECCA/UCBD-1053/4



これは、ずいぶん前にスカパー!だったかNHKだったかで見ている。その時も深い感銘を受けて、どこかでその話題で話した記憶がある。DVDで出ていたことは知らなかったが、知った以上は手元に置いておきたい衝動は抑えきれず、ついつい購入してしまった。そして見て、買ってよかったとつくづく思っているところである。
ホーネックの指揮はややフレージングの堅さというか、しなやかさに欠ける気がしないでもないのだが、歌に関して言えば実に伸びやかで、このモーツァルトの魅力的なオペラの演奏として、全く不足がない。オケはウィーン・フィルなのだから更に問題なんて起こりようがないと言うべきか…。
しかし、このDVDの魅力はやはり演出があってこそであろう。それと演奏が相乗作用を起こしてこそのこの深い感銘がある。
舞台をゴテゴテと飾り立てた演出の対極にこの「コシ」の演出はある。ヘルマン夫妻の演出は、各地で大きな反響を起こしているそうだが、私はこの「コシ」がはじめてであった。
このすっきりとした舞台の淡い光と影が愛の迷宮をこれほど抒情的に、そしてシニカルに表すとは!!演出の完全なる勝利である。2004年にプレミエ公演が行われたそうだが、この公演はその2年後で、歌手、指揮者共にそれほど有名どころはいないにも関わらず、こなれた演技と若い、伸びやかな歌ですばらしい「コシ・ファン・トゥッテ」の世界が表現されつくしている。
ドン・アルフォンソとデスピーナにベテラン歌手を配している点もなかなか心憎いところだ。トーマス・アレンは、昔、ボエームでマルチェルロを歌ったのが懐かしい。あの若々しさから、老練な学者へとアレンは歳を重ねたのである。ヘレン・ドナートも懐かしい!!個人的にはチューリッヒ歌劇場での、バルトリが歌ったデスピーナが好きなのだが、このヘレン・ドナートもまた強い個性というか、印象を残した。
ああこんな公演がなされたザルツブルクの音楽祭も、一度行ってみたいものだ。

写真は更に懲りずにソーリオのパラッツォ・サリスの庭園の風景を。一人でここに来た時、ここで絵はがきを買って家に便りを書いたことを思い出した。コーヒー一杯で一時間あまり粘ったものだったが、あれはもう20年近く前のこととなってしまった…。時の経つのは早いものである。年取ったなぁ…。
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by schweizer_musik | 2011-06-27 23:07 | DVD/スカパー!視聴記
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