再び思うこと…
音楽を始めたときの感動が原点であった。そして、それは今でもそのまま音楽への感動と、その音楽の楽しみが原点となっている。
それが私にとって全てである。生業となった今でも、こうした思いを私は一貫して持っている。「音符をたくさんたくさん書いて大変ですね」と言われて、大学時代、付き合っていた彼女から言われて驚いたことがある。その子は音楽学科ではなかったので「音符を書いてそれが音になる喜びはわからないだろうなぁ」と思ったものである。
はっきり言って私は音楽が好きで好きでたまらないのである。お金をいただいて仕事をするようになった今でも、それは全く変わらない。きっとこれが天職というものなのだろうなぁと思う。
演奏する人も同様だろうと思う。私の演奏家の友人たちも皆、演奏するのが好きで好きでたまらない連中ばかりなのだ。特にステージが好きという奴がいる。それが私は音楽の王道だと思う。だから練習するし、好きな音楽を聞いていただけるのだ。
お金を払って来ていただいているお客様は、そうした音楽を聞きたいのではないか。少なくとも私は演奏会でそうした音楽が聞きたい。「自分は、自分は」とただの自己主張ならどっか別のところで勝手にやってくれと思うけれど、音楽に没入している姿勢であれば、技術的に一定の水準に達していれば、そこに音楽の感動がある。
それではアマチュアでも良いのかと言う人がいた。アマチュアリズムと馬鹿にするなかれ。アマオケ
をその人は聞いたことがないのだろう。音楽に対する純粋な気持ちを持たざる者に音楽をする資格はないのである。
人を陥れてでも、自己を貫こうとするなどというのは私の音楽仲間にはついぞいなかった、幸運にも…。しかし、今回、私は人を見る目がないということを思い知った。でも音楽をする仲間を私はそれでも信頼していきたいと思っている。

写真はスイス、ディアヴォレッツァの山頂の道標。このように自分がしっかりとした道しるべとなれればという願望から選んだ。
再び思うこと…_c0042908_8311663.jpg

by schweizer_musik | 2011-07-07 08:31 | 日々の出来事
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