ブラームスのピアノ三重奏曲第2番をブッシュ・トリオの名演で聞く
作曲者 : BRAHMS, Johannes 1833-1897 独
曲名  : ピアノ三重奏曲 第2番 ハ長調 Op.87 (1880-82)
演奏者 : ブッシュ・トリオ【ルドルフ・ゼルキン(pf), アドルフ・ブッシュ(vn), ヘルマン・ブッシュ(vc)】
CD番号 : SONY-Classical/SRCR 9115



これまた、傑作である、構想そのものの巨大さ、細かな針の穴を通すようなリズムの裏表での入り組んだ対位法、展開の妙は巨匠の手になるものというよりも、ここまで来ると神の手によるものと思うしかない。でなければ、我々は皆廃業だ…。
ブッシュ・トリオによる1951年の録音となるこの演奏は、このとてつもないスケールの作品を、見事に表現している。技術的なことで言えば、彼らより上手い団体はいくらでもいる。しかし、表面的にいくら整えても、どうしようもない世界がやはり存在しているのである。この曲がそうだ。
おそらく、名だたるピアノ・トリオの傑作の中でも最高のものの一つであるこの作品は、極めて高度な技術を要求しているが、それ以上に、凄まじいまでの集中力をも要求しており、この作品を演奏することは極めて困難を要する。
そして、鮮やかではないが、ブッシュ・トリオの演奏は、ブラームスの心にきっと適うものであるに違いない。
メランコリックとダイナミックという相反する世界を一つの音楽の中で描ききった第1楽章、主題と五つの変奏からなる抒情的な第2楽章は大きなうねりの中に押さえつけていた感情が開いていく…。
第3楽章スケルツォは、軽快さと重厚さがバランスしたユニークきわまりない音楽。機知とか、アイデアだけではこんな音楽は絶対に書けない。トリオの深みのある世界をどうか一度聞いて欲しい。この曲がいかに凄い作品かわかると思う。
終楽章のアレグロ・ジョコーソは、この指示の典型とも言うべき音楽である。ジョコーソ(戯けた…などの意味)を問われたら、この音楽を聞かせれば良い。最後に向かっての盛り上がり方が半端ではないのだ。戯けてそれに熱中していく様が、ブッシュ・トリオの演奏ではそのものずばり聞き取ることができる。
傑作中の傑作の極めつきの名演である。

写真はソーリオ。この山の風景はもうみなさん飽きました?(笑)
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by schweizer_musik | 2011-08-14 07:19 | CD試聴記
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