バッハの無伴奏チェロ組曲第4番をシュタルケルで聞く
作曲者 : BACH, Johann Sebastian 1685-1750 独
曲名  : 無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV.1010 (1717-23)
演奏者 : ヤーノシュ・シュタルケル(vc)
CD番号 : PHILIPS/17CD-90



バッハの無伴奏チェロ組曲のCDを私は一体何種類持っているのだろう。その昔、ある本で、バッハの無伴奏チェロ組曲はカザルスのものに限るとあり、それさえ持っていればあとは必要なしとまで書かれてあり、私は長い間、それを信じてカザルスの古めかしいGR盤を後生大事に聞いていた。
あの録音がダメだとか、私は全く思わないし、偉大な記録であることを信じてもいる。だが、このバッハの豊穣な音楽をたった一人の演奏家のものだけでよろしいなどというわけがない。
しかし、バッハはなんという作品を書いたのだろう!!この低音楽器の一本だけでこれほど多彩な表現を可能にしたというだけでも凄いことであるが、私などは、チェロをどう書けば良いか、全てこの曲集から学んだと言って過言ではない。
弦について知りたければ、バッハのヴァイオリンとチェロの無伴奏作品を調べれば、ほぼ網羅してわかるはずだ。スル・ポンティチェロやコル・レーニョなどという特殊なものが出てこないだけで、基本は全てここにある。
バッハが現代に生きていたら、完璧なオーケストレーションを編み出していたに違いない。こんなに制約の多かった時代゛てすら、これほど自由闊達に振る舞うことができたのだから…。
フリッツ・ライナーがメトロポリタン歌劇場からシカゴ交響楽団に移った1953年に、一緒にシカゴ交響楽団へと移ったヤーノシュ・シュタルケルは、あのフリッツ・ライナーとシカゴ交響楽団で数々の名演を残している。そしてその頃に有名なコダーイの無伴奏をピリオド・レーベルに録音したのだった。
実際、あれは凄かった。オリジナルのLPは聞いたことがないけれど、録音も素晴らしく、演奏はそれ以上で、当時、マイナーな作品がメインでありながら、かなり売れたということでも、世の彼に対する高い評価は推察できよう。
作曲家、編曲家志望なら、まずはこの曲の楽譜を開き、そしてシュタルケルのような優れた演奏家の弾く音に耳を傾けよ!!

写真はダヴォス駅前の風景。残照を受けて輝く白銀の山とのコントラストがあまりに鮮やかで、夢中でシャッターを切った一枚。
c0042908_22143798.jpg

by Schweizer_Musik | 2011-08-16 22:14 | CD試聴記
<< コダーイの「夏の夕べ」を作曲者... モーツァルトのハフナー・セレナ... >>