コダーイの「夏の夕べ」を作曲者の指揮で聞く
作曲者 : KODÁLY, Zoltàn 1882-1967 ハンガリー
曲名  : 夏の夕べ "Nyari este" (1906/1929-30改訂)
演奏者 : ゾルターン・コダーイ指揮 ブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団
CD番号 : Grammophon/427 408-2



コダーイが24才の時に書いた作品で、20年以上経ってから改訂が施された作品である。どこをどう改訂したのかは知らない。私はこの曲をドラティの指揮したものと、このコダーイ自身の指揮によるものの二つの演奏でのみ知っているが、この二つでもう充分と思っている。
曲は六つの部分からなり、このCDにはトラックが切ってあるので、聞きやすい。20分ほどの曲であるが、コダーイらしいわかり安い作風で書かれていて、近現代にアレルギーのある人…(笑)にみお薦めできそうだ。モード技法をベースに9の和音などを交えて洒落た響きで書かれている。ハーリ・ヤーノシュのような民族性が全面に出たローカル色の音楽ではないが、適度なエキゾチシズムは味わえる。
コダーイはなかなか指揮が上手い。私なぞはとてもこうはいかないが、ブダペストのオケもなかなかに優秀で、素晴らしいアンサンブルを披露している。
夏の暑さというより、暑かった夏の陽も落ちて、涼しげな風が吹き始め、やがては静寂へと向かっていく風景にこそ相応しいと思われる作品だ。オーケストレーションも実によく出来ていて、よく鳴る。ちょっとハリウッド的だなぁと思わせる部分もあったりして面白いし、スコアを調べてみたい欲求に駆られてしまった。今度買ってみるかな…。

写真は涼を求めて、かつて早春にスイスを旅した時の記録からしつこく黄昏のダヴォスの写真を。前にも同じところを撮ったものを掲載したけれど、構図の違う別の写真を元にちょっとトリミングしてみたもの。涼しい気にだけなりませんか?…暑いけれど…(笑)。
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by Schweizer_Musik | 2011-08-16 22:21 | CD試聴記
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