習志野シティ・フィルハーモニーのコンサートに行って来た
昨日は、お昼前に家を出て、津田沼へと移動。習志野シティ・フィルハーモニーのコンサートに出かけた。コンパス協奏曲やら盛りだくさんのコンサートで、お腹いっぱいになって聞き終えてから、作曲者でソリストをつとめられた小室昌広先生にご挨拶を申し上げ、教え子たちと一緒に今度は本当のお腹を一杯にすべく、近くの焼き鳥屋で存分にそれを満たしてから帰途についた。
いや、楽しい、そして充実した一日だった。
コンサートは前半が小室先生の曲が中心で、彼がソリストとして活躍。そして後半は彼が指揮者として彼自身の作品であるカレイドスコープとストラヴィンスキーの火の鳥(1918年版)を指揮するという大活躍のコンサートで、ほぼ小室先生のための一日という印象だった。
曲は手の込んだもので、小室昌広という人の知性と教養の深さを見せつけるかのような興味深い、そして楽しい(本当に面白くて面白くて…)コンサートとなった。
ボッテシーニのクラリネットとコンバスのためのソナタのロマン派風の協奏曲編曲の前にヴェルディのナブッコの序曲を置き、モーツァルトの様々な作品をコラージュ風にまとめ上げたコンバス協奏曲の前には、モーツァルトの「後宮からの逃走」のエキゾチックで楽しい序曲がおかれていて、プログラミングの妙もあった。
ちなみにコンバスの作品で有名なボッテシーニはヴェルディの「アイーダ」のカイロでの初演の際の指揮者だった。多分これにちなんでの選曲だったのだろう。
演奏は手堅いもので、コンバスのソロはやはり楽器の特性からしてやや聞き取りにくいものとなりがちであったが、そういうコンパスの特性を知り抜いた小室先生本人のオーケストレーションが実に上手いもので、コンパスのソロを決して邪魔しないバランスに書き上げていた。無論、オーケストラも細心の注意でソロを支えていて、とてもとても面白い聞きものだった。
モーツァルトのコラージュとなったコンパス協奏曲は、ちょっとストラヴィンスキーの「プルチネルラ」のような作品で、ああいう作品は書くのも手間がかかるし、モノを知らない評論家たちから評価されにくいという二重苦、三重苦が待ち受けているので、作曲家は滅多に手を出さない。いやそれ以上にああいう音楽を書く面倒と言ったらとても大変。しかし、親しみやすい音楽がつぎからつぎへと出てくるので、オーケストラにとっては良い勉強にもなったのではないだろうか。モーツァルトのクラリネット協奏曲をひっくりかえした第2楽章などアイデア満載だったし、その合間に「魔笛」などのモーツァルトのよく知ったメロディーが点滅するように出てくるのだ。へぇーと感心しつつ、アイデアに気づいてニヤニヤしているとまた次の仕掛けが待っているという具合で、これがコンパスのソロとオケが掛け合いながらやるのだから面白いことこの上なしであった。

まぁ、おかげで、今朝は大寝坊で、七時過ぎにゴソゴソと起き出し、ようやく昨日のことなどを今頃書き始めている次第である。
さて、朝食を摂ったら、仕事に入らなければ…。少し身の回りも片付けておかないと、(部屋を引っ越したので…)と思っている。やることはたくさんたくさんある。本当にたくさん…である。

写真はそれとは全く無関係にスイスです。チューリッヒの駅前のリマト川の上にあるスーパーマーケットの横から撮った一枚。向こうの方に大聖堂の2つの塔がのぞいている。手前の尖塔はプレディガー教会。ここの塔には音楽書籍を扱う図書館がある。
習志野シティ・フィルハーモニーのコンサートに行って来た_c0042908_972740.jpg

by Schweizer_Musik | 2011-08-22 09:07 | コンサートの感想
<< シューマンの子供の情景をパネン... モーツァルトの交響曲第25番を... >>