シューマンの弦楽四重奏曲第1番を聞く
作曲者 : SCHUMANN, Robert Alexander 1810-1856 独
曲名  : 弦楽四重奏曲 第1番 イ短調 Op.41-1 (1842)
演奏者 : ケルビーニ四重奏団【クリストフ・ポッペン(vn), ハラルド・シェーネヴェーグ(vn), ハリオルフ・シュリヒティヒ(va), マヌエル・フィッシャー=ディースカウ(vc)】
CD番号 : EMI/EMI CZS 3 50819



心優しいシューマンの世界を心ゆくまで堪能すべき作品。作品41として出た3曲が彼の弦楽四重奏の全てとはちょっと残念な気がするが、これらの作品は室内楽作品が集中的に書かれたいわゆる室内楽の年といわれる1842年に書かれている。
室内楽は、ゴテゴテと厚化粧したあげくどんな顔なのかよく分からなくなった彼のオーケストラ作品に比べて、シューマンの音楽ととても合っていたように思うのだが、いかがであろうか?
シューマンらしい展開の妙は第1楽章で堪能できるし、第2楽章のスケルツォは青白い鬼火が舞うような不気味で、ファンタジックな楽章。彼のスケルツォ楽章の中でも珠玉の作品なのではないだろうか?
緩徐楽章である第3楽章は、どこかベートーヴェンの悲愴の2楽章に似たテーマを持つ美しい旋律が印象的で、とても歌謡的な楽章であるのは誰もが予想できることだろうが、それだけに終わらないポリフォニックな展開などなかなか凝った作りで楽しめる。
そして終楽章はスケルツァンドな音楽が戻ってくる。妖精の踊りとでもいうのだろうか。ポリフォニックな発想が編成に合った展開で生き生きとした音楽になっている。
これを演奏するケルビーニ四重奏団は素晴らしいものだ。みんなドイツの音楽大学の重鎮になっていたはずで、彼らに習ったという弟子も日本でもいるはずだ。フィッシャー=ディースカウはご存じのバリトン歌手の三人の息子の1番下。
このジェミニ・シリーズは廉価盤でもよく考えられたレパートリーで出来ていてお薦め。

写真は前から続けてN島君の撮った写真からレマン湖の風景を。色調の補正を少しだけかけてあります。あしからず…。
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by Schweizer_Musik | 2011-08-23 10:51 | CD試聴記
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