ヴォルフのメーリケ歌曲集からいくつかをディスカウのザルツブルク・ライブで聞く
作曲者 : WOLF, Hugo 1860-1903 オーストリア
曲名  : メーリケ歌曲集 "Mörike-Lieder" (1888)より
演奏者 : ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(br), ジェラルド・ムーア(pf)
CD番号 : ORFEOR-339050



かつて出ていたのと同じ音源と思われるものの、ノイズなどが改善されていて、曲も5曲ほど追加されている。11枚組のセットであるが、1956年から1965年にかけてザルツブルク音楽祭におけるリーダー・アーベントの質の高さに鑑みて、これは歌曲ファンならばぜひ持っていたいセットでもある。
かつて、出た時に買って、とてもよく聞いたもので、これ以前にもヴォルフのメーリケ歌曲集を聞いてはいたが、この演奏で私ははじめて聞き込んだと思ったものである。
ヴォルフの天才は、ちょっとした異常なほどの高まりをこの曲集で呈している。何と書いて良いのか私にはわからないが、ドイツ・リートとは何かと問われれば、まずこのCDを聞いてみることをお薦めしたいと思う。
ここにはドイツ・リートのエッセンスが全て詰まっている。この独特の語りに近い歌があってこそ、シェーンベルクなどのシュプレヒシュティンメという独特の朗唱法が生まれたと言ってよい。
一人の詩人の作品に集中的に曲をつけるというのもヴォルフ独特で、シューベルトなどの歌曲集のようにストーリーがあるのではなく、それぞれほぼ独立した詩に、別々の楽曲として付曲している点も独特である。
詩の意味を理解せずにこれらの歌を聞くのは苦痛だろう。その意味で、シューベルトの小唄のような味わいは「散歩」などの一部の曲に限られ、なかなかヴォルフの世界が多くの人に受容されているとは言えないが、それでも熱心なファンが存在することも事実で、一度この深い世界にとらわれてしまうと、なかなか抜け出せないほどの豊かな世界がここにはある。
伴奏がオーケストラ的で、いつかこれを抜粋で良いから(全曲なんて絶対無理だ!)アンサンブル伴奏でやってみたいと私は願っている。(少しずつ準備はしているのだけれど…まだやれる日が来るかどうかわからない…)

以前のCDでは第53曲の「あばよ」で終わりだった。ヨハン・シュトラウスのワルツの引用がある面白い作品なのだけれど、その後に第46曲「ヴァイラの歌 "Gesang Weylas"」などが続き、大好きなこの歌も含めて演奏されていたことを知った。やはりこのボックスは、すでに一枚もので所持していても、購入を検討するに値するものと言える。
私はclassicjapanのサイトでダウンロードさせていただき、聞いた。まだ他にも色々あって、聞く時間が欲しい!!

写真は雨模様だったコンスタンツで、淡い午後の光が射しだした街角の風景。八月の終わりだというのに寒い午後だった…。
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by Schweizer_Musik | 2011-09-18 20:30 | CD試聴記
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