マルティヌーの「調理場のレビュー」を聞く
c0042908_92373.jpg作曲者 : MARTINŮ, Bohuslav Jan 1890-1959 チェコ→米
曲名  : バレエ音楽「調理場のレビュー "La Revue De Cuisine"」H.161 (1927/組曲版)
演奏者 : アンサンブル・ヴェラ・ムジカ【ウルフ・ローデンヘウザー(cl), ダグ・イェンセン(fg), ウォルフガング・バウアー(trp), ニコ・チュマチェンカ(vn), マルティン・オステルターク(vc), カッレ・ランダル(pf)】
CD番号 : MD+G/304 1439-2



これは以前にもとりあげた(こちら)が、来る12月2日のノイエ・ムジカ東京の定期演奏会でとりあげる予定なので、またまた聞き直していた。
今回は指揮を小室先生にお願いしてあるので、多分良い演奏になると思っているが、CDで聞きながら、こうした「遊び」というか、演奏で観客を惹き付けるということが、若い彼らに出来るかは、多少不安を感じるが、それを私の考えるところ、異才でもあるミスター小室がいかに料理してくれるか、若い彼らと、どういった化学反応を引き起こすかが楽しみでもある。
六重奏なので、指揮をつけるかどうかは微妙であるし、本来は室内楽としてやるところであるが、まだアンサンブルとしてまとまっていない状況では、ちょっと無理なところもある。
CDでも指揮をつけているものもある。カメラータ・ド・ジュネーヴの演奏ではフィリップ・ペランが指揮している。
でも確かに指揮なしでこれができるにこしたことはない。その耳を使って、より自発性と反応力を着けていくことである。これは今後少しずつ乗り越えていくところであろう。
それにしてもこの曲は編成も面白いが、内容も機知に富んでいて、なかなか聞かせる。アンサンブル・ヴェラ・ムジカの演奏は達者なものであるが、惹き付ける魅力は今ひとつ。もっと大きな表情をつけても良いのにと思わざるを得ない。個々にはもの凄い名手たちの集まりなのだけれど、少しまとめようとしすぎているようだ。
第1曲 プロローグ : Allegretto (Marche=市場)は、それでもまとまっていることが良い方向に出ているが、第2曲 タンゴは流れ無くなってしまい、一本調子になっている。第3曲 チャールストンはクレメルがやっているロッケンハウス音楽祭でのライブがあり、あれが絶品だっただけに、この生気の失せたチャールストンにはちょっと幻滅である。
同じ頃、マルティヌーは「3つのモダンダンスのスケッチ」というピアノ曲を書いていて、その中で「ブルース」「タンゴ」「チャールストン」というこの組曲の中でも取り上げられている様式を使っている。そこで彼がいかにこの「新しい」スタイルを自分のものにしていったかがよく分かるのである。そして、当時の文化、チャールストンの踊りを含めて理解しておく必要があるのだ。
このアンサンブル・ヴェラ・ムジカにはちょっとそうした時代への共感が足りない気が私にはする。
第4曲 フィナーレは、とてもよくまとまっている。大体個々の奏者のポテンシャルの高いアンサンブル・ヴェラ・ムジカであるから、こうした曲では実に上手くまとめあげている。
この曲のCDは今4種類ほど持っている。(ロッケンハウス音楽祭でのライブを除く)が、このアンサンブル・ヴェラ・ムジカとダーティントン・アンサンブル(hyperion/CDA66084)のものがやはり最も無難な気がする。と言ってもまだ決定盤が現れていないことには変わりがない。演奏会でとりあげるとなって、色々と買い込んだ結果ではあるが、なかなか難しい曲のようだ。

写真はイタリアの雰囲気が濃厚なルガーノの市役所前の広場。午後の光に包まれて、少しゆったりとした時間が流れているようだ。
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by Schweizer_Musik | 2011-11-27 09:37 | CD試聴記
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