マルティヌーの九重奏曲第2番を聞く
マルティヌーの九重奏曲第2番を聞く_c0042908_8191854.jpg作曲者 : MARTINŮ, Bohuslav Jan 1890-1959 チェコ→米
曲名  : 九重奏曲 "Nonet" 第2番 H.374 (1959)
演奏者 : アンサンブル・ヴェラ・ムジカ【ジャン=クロード・ジェラール(fl), インゴ・ゴリツキ(ob), ウルフ・ローデンヘウザー(cl), ダグ・イェンセン(fg), ラドバン・ブラトコビッチ(hr), ニコ・チュマチェンカ(vn), エステル・ハフナー(va), マルティン・オステルターク(vc), ボゾ・パラジーク(cb)】
CD番号 : MD+G/304 1439-2



マルティヌーの最晩年の作品である。実に軽妙な中に痛切な哀感がこめられた名作で、いつかこの作品をやってみたいと思っている。(すでにパート譜、スコアは手に入れた)
様々な編成で、新古典主義の作品を戦前から戦後にかけて書いた彼の本質は、実はとてもロマンチストだったと思っている。間違っているのかも知れないけれど、この曲の第2楽章を聞いているとそんな気がしてならないのだ。
平易な言い回し、直裁に描くことを彼は好み、それが彼のあれほどの豊かで多彩な室内楽作品を生んだのだと思う。それらが厳しく余分なものをそぎ落としながらも、あんなにも親しみやすさと同居させられたのは、その情感豊かな彼の感性にあったのだと思う次第である。
彼は晩年に至っても創作力が衰えることは全くなかった。それどころか、亡くなった1959年にもたくさんの作品を書いているのだ。69才という年齢は、今日の我が国の感覚で言えば、そう長生きであったとは言えないけれど、あの時代を考えれば、そして彼の置かれた厳しい境遇を考えれば、充分に長生きだったと思う。
そしてその亡くなる前まで、精力的に仕事をしていたのであろうと思うと、私もとつい思うのである。

風邪は一晩寝たからと言って治るものではないが、やはり少し熱っぽい。午後に向けて改善してくれれば良いのだけれど。風邪薬を飲み、龍角散で喉の痛みを和らげ、のど飴をなめなめ、編曲の仕事にとりかかったところである。

写真はスイス、グリンデルワルド近くのファウルホルンの山頂ホテル。ここに行ってからもう14年が経った。多分何も変わらず今も営業していることだろう。冬は厚い雪に阻まれ閉ざしていたと記憶するが、夏のハイキングは素晴らしいものだった。
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by Schweizer_Musik | 2012-01-17 08:36 | CD試聴記
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