バラーダの鋼鉄交響曲を聞く
c0042908_21545520.jpg作曲者 : BALADA, Leonardo 1933- スペイン→米
曲名  : 鋼鉄交響曲 "Steel Symphony" (1972)
演奏者 : ロリン・マゼール指揮 ピッツバーグ交響楽団
CD番号 : NEW WORLD/NW-348-2



スペインで生まれ、アメリカのジュリアード音楽院で学んだバラーダは、スペインの作曲家というより、はるかにインターナショナルな、前衛音楽の作曲家である。
現在のところ、全部で6曲の交響曲を書いていて、この鋼鉄交響曲は第3番にあたる。
はじめオケのチューニングを大きめの音でやっているのかと思しきはじまりから、次第に主題らしきものが姿を表していくという代物で、単一楽章で書かれているが、いくつかの要素に分けられて、場面が転換していく。
但し、一切の調性的な響きは厳しく排除され、無機質な響き、あるいはリズムのオン・パレードであるが、リズムは古典的で、この面では保守的であるが、古典的な動機の発展、有機的な構築性は排除され、いくつかの部分が並列しているに過ぎない。
ダウンロードしたものを聞いているので、ライナー・ノートがないので(この点でダウンロード商品は改善されつつあるものの、まだその道のりは始まったばかりである)作曲者の意図はわからないが、交響曲第1番が「マーティン・ルーサー・キング」と題されているように、政治的なものも音楽に積極的にとりいれているようで、一種の社会批判のようなものが、この作品の中にこめられているのかも知れないが、そうしたことは、残念ながら私の想像の範疇を出ない。
ただ、リズムが単純で、その反復が生む一種の興奮が味わえ、それがこの作曲家の特徴でもあるようだ。私もこの他は交響曲が一枚、ギター協奏曲などが一枚聞いただけなので、作曲家について語る材料を持っていないが、今日のアメリカのアカデミズムの代表格として、彼をあげるには躊躇なく賛成したい。
ロリン・マゼールが指揮するピッツバーグ交響楽団の演奏はもちろん悪いはずもなく、大変優れた演奏で、この曲を聞かせてくれる。さすが才人マゼールであるし、ピッツバーグ響の上手さの半端ではない。
現代音楽ファンならば、それなりに楽しめる一枚だろう。

写真はチューリッヒ旧市街の裏通り。ちょっと良い雰囲気でしょ?怪しげな空気もあるし…(笑)。
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by Schweizer_Musik | 2012-01-24 22:15 | CD試聴記
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