バッハの無伴奏チェロ組曲第3番をディメンガの演奏で聞く
c0042908_993136.jpg作曲者 : BACH, Johann Sebastian 1685-1750 独
曲名  : 無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV.1009 (1717-23)
演奏者 : トーマス・ディメンガ(vc)
CD番号 : ECM/POCJ-1023



この素晴らしい演奏を、故井上宮司さんを思い出しながら、聞いている。軽快な舞曲が深い淵をのぞき込むようなところで演じられているような、重さと軽さが不思議な均衡を保っているかの如き作品であり、その名演だと思う。
このような域に達しないといけないのだ…と思う。でもそれは神の手とならなくてはならない。あまりの高みに身がすくむようだが、この深き淵より奏でられる舞曲は、決しておどろおどろしいものではなく、気品高き精神のそれである。
この曲の演奏については、ペレーニのライブ盤を以前にとりあげた(こちら)。あのさりげない歌い廻しの凛とした美しさに匹敵するものが、このディメンガの名演である。
軽妙にして深い…、こんな矛盾する言葉がこれほどピッタリと当てはまる音楽、演奏も珍しいと思う。そしてこういう音楽こそ、誰かを追悼する際に相応しいと私は思うのだけれど、どうだろう。
あの八幡神社は、私の子供の時の遊び場であり、今では私にとっても聖域とも言うべき場所となっている。奇しくも、ペレーニのCDを取り上げた時も、この八幡神社の写真を掲示していたことを今発見した。
写真は、八幡神社の大切な行事である勧請綱掛け神事の行われる勧進杉。今年は息子さんの新任の宮司さんがこの神事を執り行われたことだろう。そして今頃は大和川の源流の一つであるこの小さな、それでいて深い谷を作っている流谷川に、真新しい注連縄が架かっていることだろう。(神事についてはこちら)
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by Schweizer_Musik | 2012-02-02 09:33 | CD試聴記
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