ドヴォルザークのジプシーの歌をシュライヤーの歌で聞く
c0042908_122387.jpg作曲者 : DVOŘÁK, Antonín 1841-1904 チェコ
曲名  : ジプシーの歌 "Cigánské Melodie" Op.55 B.104 (1880) (ヘイドゥク独訳)
演奏者 : ペーター・シュライヤー(ten), マリアン・ラプシャンスキー(pf)
CD番号 : Berlin Classics/0032492BC



独語訳によるドヴォルザークの作品である。歌詞対訳は私はいつもお世話になっているところの梅丘歌曲会館のサイトを参照してほしい。
「我が母の教え給いし歌」がとりわけ有名な7曲からなる歌曲集であるが、このサイトの記述によると、チェコ語の原詩とヘイドゥクの独語訳には、かなり違いがあるとのことで、チェコ語の原詩とその訳までここにあるので、その違いを理解することも出来るので、大変助かる。
シュライヤーは、通常歌われるヘイドゥクの詩ではなく、Bronislav Wellekという人の独語訳で歌っている。その是非について語れるほど私はこの件について詳しくはないが、1つの見識なのであろう。
シュライヤーは若い時からこの曲を得意にしていただけあって、この最後の録音でも素晴らしいパフォーマンスを聞かせてくれる。
声の張りの良さは抜群で、軽すぎるということもなく、この曲を自信満々で歌いきっていて、説得力抜群だ。カプリッチオ原盤で、これは廉価での再発盤であるが、ナクソス・ユーザーの方はそちらで聞くこともできる。
この作品、生と死が隣り合わせにある、なかなか深みのある歌で、甘ったるいメロディーのオン・パレードなどではない。それはドヴォルザークの歌詞の選び方にもよく出ているように思う。
有名な「わが母の教え給いし歌」は「老いた母が私にこの歌を教えてくれた時、その頬に涙が光っていた、今私が子供にこの歌を歌って聞かせていると、日焼けした頬に涙が流れる」という意味の歌で、なんとも胸が締め付けられるような気持ちになる。

ドヴォルザークは、「新世界」や「アメリカ」ばかりではない。ひょっとしたら、歌曲の世界でもシューベルトやブラームスと同じくらいの素晴らしい作家であったのではと、今、もう一度聞き直す気になっている。

写真はバーゼルの楽器博物館の前。
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by Schweizer_Musik | 2012-02-13 12:24 | CD試聴記
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