ヴァイスのリュート・ソナタ 第48番をロバート・バートの演奏で聞く
c0042908_19114100.jpg作曲者 : WEISS, Silvius Leopold 1686-1750 独
曲名  : リュート・ソナタ 第48番 嬰ヘ短調
演奏者 : ロバート・バート(lute)
CD番号 : NAXOS/8.554557



ヴァイスのリュート作品については、あまりに私は無知で、我が家にあるCDを集めても20枚ちょっとというところだろう。多くはパルティータやソナタという名の組曲で、全てリュート独奏である。
リュートという楽器の人気が無くなって来た時代に生きた彼は、ちょっとバッハと似ている。亡くなったのも同じ年で、同世代でドレスデンなどで親交を結んでいたようで、BWV.1025のヴァイオリンとチェンバロのための組曲が、ヴァイスの作品からの編曲であったことも分かっていて、この二人はお互いに尊敬しあう間柄であったようである。
バッハもまたバロックの最後の時代に、すでにマンハイムの宮廷などで新しい音楽が流行りつつあった頃に、敢えて古い対位法様式にこだわって生きたあたりに、リュートという当時時代遅れとなった楽器にこだわったヴァイスに何か共感するものがあったのかどうか…。
ともかく、この二人、音楽の個性は全く異なるのは当然としても、そうした芯の強さを感じさせるものがある。
ヴァイスの音楽は、バッハのように縦の音のつながりを感じさせるものというより、横にどんどん流れていく作りで、全く異なる。リュートという楽器のせいだと言われるかも知れないが、バッハのリュート作品はこうではない…。
この点で、ヴァイスの音楽はメロディアスで、流れの音楽、線の音楽だと思う。バッハは建築のように厚みも高さもある立体構造が特徴で、無伴奏フルートなどでもそうしたところがある。
これこそがヴァイスの音楽を聞く楽しさではないだろうか?そんなことをつくづく思いながら、この美しい曲を聞いていた。
しかし、嬰ヘ短調などという調性で、どうやって弾くのだろう?これがどうなっているのか教えてもらわないとわからないが、この調性で書かれたリュート作品は他に知らないので、いつか中川さんにでもご教示いただければなどと思ったりしている。
ロバート・バートの演奏は、実に見事。このシリーズは一応、出たら買うようにしているので、ようやく11枚目に入った。(3月発売予定)
カナダのリュート奏者、ロバート・バートは余計な表情をつけず、素直にこの作品の美しさを真っ直ぐに表現している。これはイライラ防止に良いかな(笑)。
昨日、中川さんのリュートのCDを賞めたら、身贔屓で、知らない人のCDを貶し倒すと書いた「さすらい人」さんがいた。
聞きもしないで、私が身贔屓だと言うのは凄い「耳」だと思うけれど、まぁ、反論するほどのこともない。そうは言わずぜひ1度お聞き頂ければと思う次第である。身贔屓なのかどうかはその上での話だと思っている。もちろんそれぞれの好みもあるだろう。
「貶す」というのもどうかと思う。「貶す」とは「ことさらに悪い点を取り上げて非難する」ことであるが、私はそんなことはしたことがないと思っている。良くないと思えば、誰であっても良くないと言うか、黙るかどちらかにしている。と言うより、書かないことを選ぶ方が多い。
末席とは言え、業界に席を置く身で、書けないこともあるし、敢えて何も書かないことを良しとする場合も多いが、それは演奏会の場合が圧倒的に多いように思う。
生身の人間がやることなので、ミスや、ちょっとしたことで演奏が崩れてしまうこともあるので、良い悪いをそのまま書いては気の毒と思う場合もあるし、色々な浮き世の義理も私ごときでもある。
しかし、お金を払ってCDを買ったり、演奏会に行ったりしたら、良かった、悪かったを言うのはお金を出した者の権利だと私は考えている。だから、お金を払って聞いているからこそ、感想はいつでも書く権利はあると私は思うのだけれど、違っているだろうか?
無論、反対にお金をいただく立場に立つこともある私は、もちろん批判に耳を傾けるようにしている。つらいことではあるが、これも当然のことだ。
しかし、私の書いているものを、誰かさんが「批評家気取り」と揶揄するコメントを下さったが、こんなもの、批評でもなんでもなく、ただ聞きながら感想を書いているに過ぎないわけで、そこまで言われる筋合いはないと思っている次第である。こんなもので「批評家気取り」できるなんて子供じみたことを思いつくこと自体、馬鹿馬鹿しく思う。
まっ、今後、こうした「ご意見」をいただけなくなるのは残念でもあるが、仕方がない。コメントでお返しできなくしてしまったので、ここでコメントを書かせていただいた。

写真はミューレン。
c0042908_19252120.jpg

by Schweizer_Musik | 2012-02-13 18:39 | CD試聴記
<< ヴァイスのリュート・ソナタ 第... 謹告 >>