ペンデレツキ作曲、「広島の犠牲者に捧げる哀歌」
ペンデレツキのこの名曲は、二十世紀における一つのエポック・メイキングとなった作品であった。スコアは普通の楽譜ではない。最初はその楽器が出せる最高音を出せとか、クラスターと呼ばれる音塊を出すために、五線上を黒く塗りつぶしてみたり、弦をこすったり、叩いたり・・・。弦楽のために書かれたはずなのに、色んな音響が出てくるという代物である。
それでいてちゃんとした一貫した形式で書かれ、ただの偶然で出てきたような音はないというのだ。
学生にこれを聞かせ、感想を言わせると、何だかでたらめをやっているみたいとか言う言葉が返ってきたものだ。
なるほどそういう風に感じるものなのか。で、少しアナリーゼをしてからもう一度これを聞くと、「へぇー」となる。
この曲は著作権も思いっきり生きているので、スキャンしてここに貼り付けるわけにはいかないので、アナリーゼは無理だが、こうした音響の開拓の中でもケージなどのプリペアド・ピアノなどと並んで、二十世紀の大きな成果の一つと言える。
昔、大阪で、大フィル相手にペンデレツキがこの曲を指揮したのを聞いたことがあるが、彼の指揮は実に上手いものだった。ヴァイオリン協奏曲(もちろんまだ二番は出来ていなかったので、第1番だった)では、岩淵竜太郎氏がソロを担当していたが、当時、私は高校生だった。そうよく判って聞いていたはずはないのだが、それでも、もの凄く上手い彼の指揮に感心(感動とはちょっと言えない)して更に、「広島の犠牲者に捧げる哀歌」の厳しい表現に肝を潰したのだった。
大阪国際フェスティバルのことだった。最近では1999年に日本フィルに来演していたが、その時は聞き逃している。

ペンデレツキ作曲、「広島の犠牲者に捧げる哀歌」
by Schweizer_Musik | 2005-06-19 01:22 | 原稿書きの合間に
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