フランク/協奏的三重奏曲 第1番 嬰ヘ短調 Op.1-1 *****(特薦)
フランクの若いときの作品である協奏的三重奏曲 第1番 嬰ヘ短調 Op.1-1を、オレグ・カガン(vn)、ナターリア・グートマン(vc)、スヴャトスラフ・リヒテル(pf)という巨匠たちによるアンサンブルをダウンロードして聞く。20才そこそこの若者であったフランクは若いときにはリストばりのヴィルトゥーソとして、また才能ある作曲家として有名だったことはあまり知られていない。解説でもせいぜいサロン風の軽い作品を書いていたみたいなことを述べているにすぎないことが多いためであるが、この作品をはじめ、決してサロン風の簡単な作品ではない。
実はこの曲は昔から好きで、何枚か持っているのだが、リヒテルが弾いているとは知らなかった。マリアナ・シルブ(vn),ミハイ・ダンチラ(vc),ミハイル・サルブ(pf)の演奏(dynamic/CDS 21/1〜2)は1981年頃の録音で、この作品をはじめて聞いた。続いて、私が最も愛聴しているのは、ミュンヘン・ピアノ・トリオ【ミヒャエル・シェーファー(pf),アイオナ・ベルー(vn),ゲルハルト・ツァンク(vc)】の演奏(CALIG-VERLAG/CAL 50 864)で、これ以上はないと思っていた。抒情的で美しい演奏で、このリヒテル他の演奏を聞いた後も、愛してやむことはないが、このリヒテル、カガン、グートマンの演奏の凄さは一体・・・。
何という演奏なのだ・・・。もう腰が抜けてしまったというのは嘘だが、本当に聞き始めた時には、彼らの気迫に全く動けなくなってしまった。
第1楽章、ピアノのバスだけが提示され、チェロが加わり、ヴァイオリンが加わるあたりの表情はそう大きなパッションが隠されているなんて思ってもみなかった。おそらくはフランクも考えていなかったに違いない。私はそう思う。しかし、リヒテルをはじめとして冒頭からスケール雄大にして、気迫満点の演奏で、音楽がいきなり超一流の名曲の仲間入りをしてしまったのだ・・・。
奇蹟のような演奏だ。最初から最後まで、一度聞き始めたら、途中で止めることなど不可能。心して聞くように。
Classical Music Archivesからログインして(一年間で2500円ほどでした)、演奏家別のインデックスからチェロのナターリア・グートマンのところを探すとこの演奏が見つかります。
2500円の値打ちはこれだけでもありました。ああ凄いものがネットにあるものだ・・・。
by Schweizer_Musik | 2005-07-10 21:19 | CD試聴記
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