iTuneで音楽をダウンロード・レポート
iTuneでダウンロードしてみた。試しということで、アルバム5枚分ほどやってみた。
まだはじめたばかりということもあるのだろうが、欲しい音楽を探すのにかなり苦労した。というより探せなかった。まだ品数が少ないのかも知れない。あの程度ではクラシック音楽ファンは使えない。更にアップルは勉強すべきだ。
とりあえず、iTuneのショップの右のベストからロンドン交響楽団のライブ・シリーズがあったので、それを探しだし、まず「惑星」をダウンロード。アルバム単位でしか購入できなくなっていて、ちょっと不便に思ったが、それはともかく全曲が2分ちょっとでダウンロードできた。1200円であったが、この価格はタワーなどでこのCDを買った値段とそう変わらないのにはちょっと失望した。
そんなことはともかくとりあえず聞いてみる。指揮はコリン・デイヴィスだ。聞きながら、ちょっと野暮天だなぁと思ったり、まじめだなぁと感心したり、もうちょっと色気をだせよと思ったりしたものの、私の安物のヘッドフォン(kossのUR 40)で聞いて全く音響的には十分だと感じた次第。(ホント、7000円程度のヘッドフォンの話なので、あのり信用しすぎないで下さい!!)
終曲の合唱もなかなか美しいものである。ライブ録音ということで、コリン・デイヴィスの指揮の時の気合い声がよくはいっていて面白い。まぁそれほど解像度は良い。しかし、本当に山っ気のない指揮者だ。曲がこれだけくだけているのだから、もう少し大向こうを唸らせてみてほしいのだが、ああ、コリン・デイヴィスだったらこんな演奏になるって予想できたはずなのに、また要らないものを買ってしまった・・・。コリン・デイヴィスならドヴォルザークの交響曲が出ていたのに・・・。
このダウンロードをしてみて、改めて気がついたことは、演奏についての各種のデータがなく、ただリリースがいつかということだけで、はっきり言って全くの情報不足。ポピュラーであればリリースがいつかだけで十分でも、クラシックはそれでは駄目だということをこの担当者は全くご存知ないらしい。今後同じ曲を何度も録音したカラヤンやフルトヴェングラーといった録音を出していく時に、これでは使い物にならないのに、まあクラシック音楽ファンを知らない人がシステムを作ってしまっているとしか思えず、これでは問題だ。大体、ポップスだけ売れればいいという考えなのだろうか?まぁ市場規模からすればわからないでもないが・・・。
愚痴はさておいて、続けてベルナルト・ハイティンクの指揮したブラームスをアルバム二枚分ダウンロードした。交響曲第1番と第4番である。第1番には悲劇的序曲も組み合わせられている。好きな第2番を何故ダウンロードしなかったかというと、いらないドッペル・コンチェルトもついて来て1500円になるからである。せっかくなのにこれではダウンロードも使いにくいものになってしまう。曲単位に改められないのだろうか?
で、ここでロンドン交響楽団のライブシリーズに見切りをつけ、他はないかと探し始める。探すのが大変わかりにくく、検索もほとんど機能していない。こんな程度でiTuneは発進しちゃっとのかと思ってしまう。
しかたなく、またしても所謂最近の売れ筋から探すこととなってしまう。
まずゲルギエフのチャイコフスキーの第5をダウンロード。悲愴や第4番もと思ったが見あたらなかった。もう少し熱心に探せばあったのかも知れないが、まあそれほど好きな演奏家でもないので、この一曲にする。良い録音だと思う。ロマンチックな表情で魅了する。第1楽章、序奏はかなり遅さで、主部に入ってもなかなかテンポが上がらない。弦にちょっとしたポルタメントが頻発するところから、一つのフレーズをなるべく同じ弦で弾くようにしているようで、ウィーン・フィルはいつもそうだったっけと、ちょっと確認したくなったが、これはまた別の機会にということで、続いてアバドがベルリン・フィルを振ったマーラーの第9が1500円とあったのでゲットする。ゆるやかで静かな演奏。以前聞いて、買おうと思いながらつい買いそびれていたもの。1500円なら安い。
最後にラフマニノフの協奏曲。第1番と第2番をツィメルマンと小澤征爾が録音したもの。これには参った。ああやはり買って良かったと思う。素晴らしい演奏だ。第1番も第2番もこれがあればもうリヒテルもアシュケナージもいらないと思う。第1番は唯一無二の名演だ。これはツィメルマンの近年の録音の中でも傑作だろう。冒頭をアシュケナージの録音とちょっと聞き比べるだけでアシュケナージなんかもういらないと思ってしまうほどのもの。大推薦だ!!
by Schweizer_Musik | 2005-08-15 13:05 | 音楽時事
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