ベーカー作曲のバレエ「ワシントン・スクエア」***(佳作)
ミシェル・コンウェル・ベーカーという作曲家の書いた「ワシントン・スクエア」というバレエ音楽を聞く。ジョージ・クルムという人が指揮するロンドン交響楽団による演奏。
ベーカーは1937年生まれのカナダの作曲家で、テレビや映画の音楽を数多く書いている作曲家。また多くのオーケストラにアレンジや自作品のスコアを提供しているというから、欧米では知られた作曲家のようだ。私は、この作品を聞くまで知らなかった。
作品は、ハリウッド調というか、映画音楽調で、ゴールドスミスやジョン・ウィリアムスが好きな人なら喜んでもらえるかも知れない。オーケストレーションは無駄がなく、さすがベテランの味である。オケ・ピットで演奏することを前提にしているので、ハリウッドの映画音楽のように分厚い編成で書かれているわけではないが、それでもそれを彷彿とさせるような響きを作り出しているあたりはさすがだ。
バレエの筋立ては、ダウンロードしたもののためにわからず、音楽を聞くのに苦労したが、Curtain Callというサイトの中の98年感想集の中にこのバレエを見た方がレポートされているので、関心のある方はぜひどうぞ。
20世紀の問題作だとか、傑作と言うにはちょっと無理があるにしても、非常によく書けた佳作であり、十分に楽しめる作品だが、創意とか、表現に対して問題意識を持ったものではなく、娯楽性にあふれた作品として評価すべきだ。
別に難しげに音楽を書かなくてはならないということはなく、私もこうした作風であるので、共感する部分は多かった。ただ音楽だけではなかなか推薦するというには難しい。「白鳥の湖」などのように原作がよく知られ、その音楽だけでも親しまれているというものでもないからだ。
by Schweizer_Musik | 2005-10-05 08:18 | CD試聴記
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