作曲者 : WIDOR, Charles-Marie 1844-1937 仏 曲名 : ピアノ協奏曲 第1番 ヘ短調 Op.39 (1876) 幻想曲 変イ長調 Op.62 (1889) ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.77 (1905) 演奏者 : マーティン・ロスコー(pf), マーティン・イェーツ指揮 BBCコンサート・オーケストラ CD番号 : Dutton/CDLX 7275 彼のオルガン交響曲第5番の終楽章「トッカータ」は若い頃聞いて夢中になったこともあり、彼が十九世紀のオルガニストであるとは思っていたけれど、チャイコフスキーやグリーク、フォーレ、マスネなどと同世代とはあまり想像していなかった。 もっと近代の人かと思っていたのだけれど、それは亡くなったのが1937年という第二次世界大戦の直前ということがあるのかも知れない。 89才までサン・シュルピス教会のオルガニストを務め、93才で亡くなったのだから、当時としては大変長寿であったことが、この思い違いの原因になっている。 彼の作風が、ロマン派の王道を行くようなものであるのは、至極当然のことなのだ。そう考えれば、この作品たちは、忘れ去られてはちょっと気の毒なくらい魅力的だ。特にピアノ協奏曲第2番は、サン=サーンスのピアノ協奏曲第4番などと比肩できる名作だと思う。 こうした隠れた名作の掘り起こしで多くの優れた演奏を披露しているマーティン・ロスコーのピアノもまた見事。オーケストラもよく仕上がっている。hyperionにも同じ曲の録音があるのだけれど、そちらは未聴なのでわからないけれど、この演奏で私は充分満足している。 しかし、この平明で、ロマンチックな協奏曲を聴くと、これらよりもずっと前に書かれたフランツ・リストの二つの協奏曲がいかに前衛的であったか…。さて、リストのお国入りの第2番でも聞いてみようか…。
by Schweizer_Musik
| 2020-07-16 09:51
| CD試聴記
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