オーマンディ指揮で聞くモノラル録音の「英雄の生涯」

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作曲者 : STRAUSS, Richard 1864-1949 独
曲名  : 交響詩「英雄の生涯」Op.40 (1897-98)
演奏者 : ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団, ジェイコブ・クラチマルニック(vn)
CD番号 : Naxos Classical Archives/9.80113

これは1960年にステレオ録音がされているので、わざわざこの1954年4月14日録音のモノラル録音をとりあげることもないのだけれど、この演奏のあまりの見事さに、あげてみたい。
ユージン・オーマンディは凡手の典型のように、悪し様にけなす人もいるけれど、お好みでないなら、こんなブログなど無視していただければ結構。ただ、これはステレオでの録音に勝るとも劣らない名演だ。1958年までコンサートマスターだったクラチマルニックの演奏が聴けるのも有り難いところ。ソロの録音はないのだろうか?実に良い演奏だと思う。
この「英雄の生涯」という作品は、本当に幸福な作品だと思う。古くはメンゲルベルクに始まり、ライナー、ショルティ、オーマンディ、カラヤン、カール・ベーム、クレメンス・クラウス、小澤征爾…ちょっと思い出すだけでも、心に残る名演が思い出される。
オーマンディがこの曲を録音したのは何度あるのだろうか?ミネアポリス時代はよくわからないけれど、この録音以降は1960年の米コロンビア盤に、1978年のRCA盤がある。手元には1960年盤もあり、これもなかなか良い演奏なのだが、モノラルながらこの1954年盤は実に骨太で、力強い。モノラルということだけで、忘れ去られるには実に惜しいものである。
NAXOSが多分板起こしであろうが、出してくれたので、容易に聞くことができるようになった。NMLでは聞きにくいが、Apple-Musicなら聞きやすい(トラック間でどうしても読み込みに少しだけ間があいてしまうから)。私は今回はApple-Musicで試聴した。もちろん購入してダウンロードすることもできる。
SONYから、モノラル時代の録音がたくさん出てきているので、これもその内ラインナップされるかも知れない。それまではこれで楽しむことにしよう。

by Schweizer_Musik | 2020-08-01 05:35 | CD試聴記
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