シェックの歌劇「エルウィンとエルミーレ」****(推薦)
シェックの歌劇「エルウィンとエルミーレ」を聞く。こうしたオペラのCDは対訳がないと私のように語学がいい加減な人間には大きなハンディになるのだが、そうした問題があることを前提にお読み下さるようお願いします。

シェックの初期の歌劇として、いくつかのアリアは聞いていたが、全曲通して聞くことができるようになったのは、おそらくこのグリフィス指揮チューリッヒ室内管弦楽団他によるものが大きいのではないだろうか?
1916年初演というから、プッチーニもまだ健在だった時代の話で、当然シェックのこの作品にもそうした影響はある。スコアがないので聞いた感じだけて書いているため、かなり心許ないのだが、属9の和音の多用や非和声音の解決の方法などが共通したものがある。
とは言え、後に書き上げた傑作「ペンセシレア」のような重厚さは全くない、軽快なハーモニーはフランス近代のそれと共通し、モードの使い方も似たところがある。
軽快な間奏曲のあとに歌われるエルウィンのアリア「あなたは愛しきバラを枯らせてしまう」などは、プッチーニの作であると言われて半分くらいの人が信じてしまうのではないだろうか?言葉がドイツ語だから、みんな気が付くか?
エルウィン役のテノール、ティノ・ブルッチはやや音程が不安定だ。声に魅力はないし、私は今ひとつの印象を持った。
対してエルミーレ役のソプラノのジャネッテ・フィッシャーは終わり近くで「 私を見て。私はかくのごとき神秘家、貧しく罪深い女性」と歌うところでの心情の掘り下げが今ひとつと感じさせるが、全体に細い声ながら、なかなかに魅力的だ。
イギリス人指揮者グリフィスは、チューリッヒ音楽院で学んだ指揮者だが、なかなか清潔な演奏をする。余分にロマンチックにならない点がこの曲の場合は合っているように思われる。
ともあれ、シェックの初期の傑作を聞くことができるようにしてくれたのだから、まずは感謝するべきであろう。

cpo/999 929-2
by Schweizer_Musik | 2006-02-06 09:32 | CD試聴記
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