クラシカ・ジャパンのサリエリの「見出されたエウローパ」
サリエリの「見出されたエウロパ」を見た。スカラ座の全面改修後のこけら落とし公演である。ものすごく感動した。クラシカ・ジャパンもやたらと再放送ばかりで、3000円は高すぎると思っていたらこれである。うーん、もうちょっと継続してやることに決定した。
歌手たちが良い上に、サリエリの音楽が素晴らしいのだ。どうしてこれほどの音楽が埋もれているのだろう。不思議でしようがなかった。
冒頭から音だけでも引き込まれてしまうが、映像があるおかげで更にその素晴らしさに心を奪われてしまうのだ。雷鳴とともに始まる序曲は引き締まったムーティらしい演奏でとても気持ちが良い。演出はゴテゴテした主張をするよりも簡潔に徹しているようで、ドラマに寄り添うようで、音楽を全く邪魔しない。
先日、モーツァルトの「ポントの王ミトリダーテ」を見たが、あの演出は一体どういう考えの下に行われたものかは知らないが、私は序曲が終わって第1幕が始まって5分ほどで見るのを止めてしまった。そして録画してあったのを消去したのだが、あれは演出家のエゴの塊のようで、モーツァルトも何もあったものではなかった。それの後だっただけにこれは気持ちよく見ることが出来た。
古代フェニキアを舞台とした王族における愛憎劇である。一人を除いて全て女性によって歌われる。だだ一人の男性は虎視眈々と王座を狙うエジストであるが、ジュゼッペ・サッバティーニがこの悪役を見事に演じていてドラマに強い緊張感を与えているのだが、表題役のディアナ・ダムラウをはじめとする若い歌手達の素晴らしい歌には、誰もが惹きつけられずにはいないだろう。
これは1778年のスカラ座柿落としで上演されたものだそうで、そうしたこともあってこの改修を終えた新スカラ座のこけら落としの作品に選ばれたもののようだが、これは歴史に残る公演となったと言えよう。2004年〜2005年のスカラ座の開幕の公演である。ムーティはこの後、歌劇場につきもののゴタゴタで辞任してしまったので、この組み合わせはしばらくは見ることもできないだろう。これを放映してくれるのだから、クラシカ・ジャパン様々である。
DVDにして、保存することにした。

13時追記。
また見直してみた。感銘は一度目と全く変わらず、若い歌手たちの声の威力の前に私はひれ伏すしかなさそうだ。舞台に立つだけあって、大変美しい容姿に加えてこの声なのだ。天は二物も三物も与えたようだ。
衣装も含めて、見ていて気になることが全くないのも良い。色っぽいと気になるし(笑)、変な衣装だと更に気になるし・・・。そうした雑念にとらわれず見ていられるのも有り難い。
しかし、サリエリって結構良い作曲家だったのだなと思う。ベートーヴェンも習った先生だけのことはある。当時は高い名声を得ていたが、晩年は不幸であったし、「モーツァルトを殺した」などと口走ってしまったから・・・。
by Schweizer_Musik | 2006-02-06 11:51 | 原稿書きの合間に
<< スカパー!で見た「ルチア」 シェックの歌劇「エルウィンとエ... >>