フランクの交響曲ニ短調、聞きくらべ
フランクの交響曲ニ短調を聞く。何種類かある我が家のライブラリーから選んだのはモントゥー指揮シカゴ交響楽団の演奏。オーケストレーションではとても面白いところのある曲だけに、ライナーの治世の終わり近くのシカゴ交響楽団の抜群のアンサンブル力はものをいう。
メンゲルベルクやフルトヴェングラーなどの超がつくロマンチックな演奏や、どこかなよなよとしたカラヤンの演奏などに比べると、モントゥーの力強さは良い。何よりもテンポが良い。ゆったりとやるとどうしようもないほどベタベタした演奏になってしまうこの曲。さすがにモントゥーはグングンと引っ張っていってくれる。
これに匹敵するのは、シャルル・ミュンシュの演奏だ。ボストン交響楽団の録音がいいのだが、手元になく記憶が少し薄れ気味である。フランス国立放送管弦楽団とのライブは勢いが良いのでが、ちょっと荒っぽいし、音もモノラルで一般的に薦められるものではない。しかし、良い演奏だ。
カラヤンがパリ管弦楽団を指揮したものは、オケの響きの美しさ、輝きの点で最高の出来である。呼吸の深さはモントゥーに匹敵する。これならばモントゥーの対抗馬として推薦できるが、モントゥーのような一直線の清々しさはここにはない。
こう考えればこれが老人の演奏なのだろうか?不思議で仕方ない。
タメの深い演奏ということで言えば、バーンスタインがフランス国立管弦楽団を指揮した1981年の演奏もあげねばならない。極端な末端肥大症にかかる以前の録音だ。ただ、重すぎる。フランクの書いた音楽そのものが重いのだから、こんなに深いタメで演奏されると、つらすぎる。
こう聞いて来ると、アンセルメの演奏がものすごくよく聞こえてくる。彼の弾むようなテンポ感がこの曲の重さを救っている。
第2楽章のハープとピツィカートのユニゾンはモントゥーとアンセルメが良い。他は小さくて合っているかどうかもよくわからない。その点、モントゥーは盛大にならす。この部分、結構演奏者に負担を強いる部分なのだが、アンセルメ盤でちょっと外しているのはご愛嬌だ。この部分。ライブでうまくやっているのがクリュイタンス指揮スイス・イタリア語放送管弦楽団の演奏だ。AURAレーベルで安く手に入るので、御一聴をお薦めしたい。ヘルマン・シェルヘンのベートーヴェンでアンサンブルが下手な田舎オケなどと思い込んでいる人にこそ聞かせたい一枚だ。
夕方からこの曲をとっかえひっかえ聞きくらべをして、モントゥーの横綱は変わらず、西の大関にアンセルメ、東の大関がカラヤンで、関脇にシャルル・ミュンシュとクリュイタンスといったところか。あとダヴァロスやジャン・マルティノン、ノイホルト、ストコフスキーなど色々聞いたが、まぁこんなところ。
またやってみたい。
by Schweizer_Musik | 2006-02-13 21:55 | CD試聴記
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