夢の名演奏 (5)
その内、録音されるのかも知れないが、マウリツィオ・ポリーニはラヴェルを全く録音していないのは不思議な話だと思っている。ベートーヴェンも良いが、私は別にポリーニでベートーヴェンを聞きたいとあまり思っていないので(嫌いなのではないが)ドビュッシーの前奏曲や練習曲(ああここに入っていたベルクのピアノ・ソナタは長年の乾きをいやしてくれるものだった!)の見事な演奏を知るたびに、どうしてラヴェルをやらないのだろうと思うのだ。
ポリーニは、私に言わせればドビュッシーよりもラヴェルの方が合っているように思うのだが、どうだろう。
彼がラヴェルの「夜のガスパール」や「鏡」、ソナチネなんて録音したらすばらしい結果で得られることは間違いないのだが。
またラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲なんと録音する気はないのだろうか?オケは小澤征爾指揮ボストン交響楽団あたりを希望。うーん、駄目かなぁ。ラヴェルの左手をジャズ風に崩してやるのではなく、選び抜いた音色、タッチによって練り上げた演奏で聞けたなら最高だろうなぁと夢想している次第。
ユニバーサルのプロデューサーの力なのか、ポリーニが個人的にラヴェルが嫌いなのか(まさか!)知らないが、録音されないままになったとしたら、残念だと思うのは、私だけではないだろう。
by Schweizer_Musik | 2006-06-04 15:06 | 夢の演奏
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