ウェーバーの交響曲を聞いていた。忌々しい独唱のおかげてオーマンディの第九でちょっと不完全燃焼をしてしまったからだ。
ウェーバーの交響曲と言えば、滅多に録音がない名作の一つだ。確かに若書きではあるが、第1番、第2番共に傑作だと思う。この2作が話題にならないのてはただ、歌劇「魔弾の射手」のあまりの大きな成果の前に、みんな目がくらんでしまうからに違いない。) 大分前にホルスト・シュタインの録音があったけれど第2番はなかった。それよりも古い録音だったと思うが、クレメンス・クラウスの指揮でも聞いたことがあった。これもなかなかに良い演奏でよかったが、オケが非力な印象だけが残っている。 2曲そろっての録音はなかなかなかったのだが、CD時代はじめにサヴァリッシュがバイエルン放送交響楽団とオルフェオに規範となるべき名演を残してくれたことを感謝したい。 1806年から1807年にかけて、20才そこそこの青年がこんな曲を書いていたとはもう驚き以外にない!完全なロマン派の音楽であり、彼がドイツ・ロマン派のはじめに位置することをこのCDほど強烈に印象づけられることはないのではないか。 サヴァリッシュの指揮は好調だ。テンポもぴたりと決まっている。無用なディナーミクの強調や、歌い回しでこれ見よがしのところは皆無。ああ安心して聞ける指揮者!これでなくてはスタンダードは作れません!! 木管を使いまくるオーケストレーションは、時代が30年ほど間違っているのではと思わせられるほどで、弦が活躍する(あるいは弦だけが主役)というスタイルから一歩も二歩も進んだウェーバーの革新性が味わえる。特に第2番なんて百年後を予感させるとも言える。この大切な木管が、蛇つかんもたついたりするところも無きにしもあらずだが、やはりバイエルン放送交響楽団!一流の味は出ている。オルフェオの録音も良い。 NHK交響楽団で私にもなじみ深いこの名指揮者も、あまり高く評価されないのは不思議だ。名プロデューサーのウォルター・レッグがぜひにと契約を持ちかけたという話もどこかで読んだ記憶があるが、もっと高く評価されてもいいのではないだろうか? まぁ、彼の解釈が常識的すぎるのかもしれない。でも私のような人間には、突飛な解釈で売ろうなどという山師的根性の方が低く見える(聞こえる)。如何だろうか。ハイティンクなどがわからん耳のあまりおよろしくない評論家先生も、NHKに媚びを売るために演奏会評でテキトーに褒めておいて、レコード、CD批評でこき下ろすというのは、どうもなぁ・・・。 そんな話はともかく、このCDも次第に入手困難なものとなっているようで、さっぱり見かけなくなってしまった。ロマン派の音楽を愛するならば、ぜひ手元に置いておかなくては!大推薦です!! ORFEO/C 091 841 A
by Schweizer_Musik
| 2006-06-29 23:37
| CD試聴記
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