パルテノン多摩に行ってきた
パルテノン多摩のサクソフォン・フェスティバルに行ってきた。例のプロコフィエフの本番(2・7曲だけの抜粋だが)である。かなりアクロバットな部分があるだけにさすがにヒヤヒヤする場面も多かったが、よくがんばっていたと思う。
久しぶりに藤沢で乗り換えて小田急で多摩センターへと向かったのだが、さすがに遠かった。私は自分のアレンジの本番ギリギリに会場に入り、本番が終わると同時に出てきた。こんな奴は私一人だっただろう。サクソフォンをやっている人ならともかく、そうでないのなら、あまり長居するのはどうかなと思った。それほど同族性のあるイベントだった。全くの門外漢の私は退散する方が良いと思った次第。
久しぶりだから藤沢で降りてみた。二年ぶりくらいだろうか。ついでにタワー・レコードでクレオ・レーンの歌った「月に憑かれたピエロ」を買ってきた。私がレコードを集め始めた頃に出て、一世を風靡したものだ。レーンはミュージカル歌手であり、またジャズ歌手である。確かイギリス出身だったと思うが、この頃バーバラ・ストライザンドが「クラシカル・バーバラ」を出すなど(ああ、あのCDはどこへ行ったのだろう。久留米に住んでいた頃何度も聞いたのに…)ポピュラーの歌手がクラシックに接近を試みていた時代である。平原綾香のような接近の仕方ではなく、多くは真っ正面からクラシック・アルバムを作っていた。ストライザンドのドビュッシーの確か「夕暮れ」だったと思うが、ドキドキする色っぽさと気怠さは、格別の味わいであった。あれは廃盤のままのようだ。
このシェーンベルクも長く廃盤だった。英語版ではあるが、そうしたハンデを全く感じさせない迫真の歌唱である。音程の良さも恐ろしいほどで、朗唱というより、楽々と歌いきってしまったというのが正直な感想。それも、ミュージカルのように第1幕、第2幕、第3幕というように一人芝居を演じている感じなのだ。全く凄い。
共演者たちの達者な人たちが揃っている。が、もっと積極的であってもよさそうだ。表現が小さい。もっと大きな抑揚が欲しいと思う。
しかし、クレオ・レーンの素晴らしい歌唱によってこの一枚は永遠の名盤となった。この機会を逃すと、手に入らなくなること間違いなさそうだ。タワー・レコードの企画でようやくCD化されたものであるからだ。世界初CD化という文字が躍っている。
これが売れるものかどうかはわからない。でも「クラシカル・バーバラ」やクレオ・レーン(彼女のCDもあまり出ていないのはどうしてだろう!)いつでも聞ける、あるいは手に入るものにしておいてもらいたいものである。

ドクター円海山さんが話題にしておられたロジェストヴェンスキー盤のプロコフィエフの交響曲・協奏曲全集とペンデレツキのチェロ協奏曲全集(作曲者の指揮、名手アルト・ノラスのチェロによる)を購入。計6000円あまり。安すぎるように思うが…。
by Schweizer_Musik | 2006-12-24 21:16 | CD試聴記
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