ヒコックスの指揮するアーノルドの交響曲、凄い名演だ!
ハード・ディスクの調子は二台を別々にフォーマットし直して、使い始めているが、今度は異様に調子が良い。変だ…。というわけで少し作業がはかどっているので、前から気になっていたリチャード・ヒコックスが指揮したアーノルドの交響曲を聞いていた。おなじみのナクソス・ミュージック・ライブラリーだ。このおかげで私の音楽生活は一変するほど豊かになったと感じている。所有欲もこの歳になるとあまりなくなってしまい、こうして潤沢に音楽をきけるという環境さえあれば充分だと思うのだ。それもはじめて聞く音楽もたくさんある。今までずいぶん聞いてきたつもりだが、それでも聞いていない音楽はあまりにも多く、音楽を聞く時間はあまりに少ない…。

さて、アーノルドは第1番から聞き始めた。今、ちょうど第3番に入ったところだが、驚きと感動!である。これは買わないといけないなと思う。すごい名演だ。ヒコックスは良い指揮者だと思っていたが、バルビローリやボールトと同じ域に達していると私は思った。彼の指揮の特徴はメリハリの良さだ。サラサラと流すところなど全くない。
第3番はペニーの指揮するナクソス盤が今ひとつで、良い演奏が欲しいなぁと思っていたのだが、ヒコックスは私の長い間の乾きをようやく潤してくれた名演だ。
ヒコックスは先日、ウォルトンの歌劇「熊」を聞いてその圧倒的な手腕に驚き、更にブリテンの「戦争レクイエム」を聞いて、この人は大変な指揮者であると認識を新たにしたのだが、ロンドン交響楽団を振ったこのアーノルドのシリーズを聞いてもう脱帽するしかないと考えるに至った次第である。
第3番の第2楽章をペニーの退屈な演奏で慣れていた私は、手に汗握る凄まじい体験をすることになった。凄い!!終楽章の迫力もまた凄まじいものであった。
今、第4番に入った。この曲にはアーノルド自演の「トンデモ」演奏があるのだが、作者の自演ということで無視するのはいけないとは思うが、あまりに凄まじいテンポ設定で、実は私はついていけない部分もあった。ペニーの演奏をその後聞くと、全く別の曲に聞こえたものだ。というよりやっぱり似たメロディーと似たハーモニーと似たオーケストレーションの別の曲だ…。
で、この第4番を聞き始めてはじめて納得がいった。おそらくはアーノルドはこういう演奏がしたかったのではないだろうかと…。
ヴィラ=ロボスが聞いたら「あれ、儂はこんな曲書いたっけ?」と言うに違いない。まるでラテン・パーカッション協奏曲である。それに明らかにどこかの国の歌謡曲らしいメロディーが絡む。この辺りの面白さは絶妙!それにしてもヒコックスは上手い!私は完全に彼の術中にはまってしまい、心地よいこと!
このまま、第6番まで私は心ゆくまで堪能することにする。実に良い演奏、音楽だ!お薦めですよ!でもどうした第7以降もやってくれなかったのだろう!ガンバの演奏で第7以降はあるし、それは以前から持っているし良い演奏なのは認めるが、ヒコックスは格が違う!
by Schweizer_Musik | 2007-03-27 08:55
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