ヤルヴィのドヴォルザークを聞いた
ネーメ・ヤルヴィの指揮するロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団によるドヴォルザークの交響曲をいくつか聞いてみて思ったこと。1980年代のヤルヴィは良かったのだなぁという感慨と、シャンドスの3秒ほどもある長く深い残響を取り込んだ響き(かなり人工的に感じるのは私だけ?)に辟易とされながらも、グイグイ引っ張っていく活きの良さについ引き込まれてしまうという相矛盾したものであった。
例えば大好きな第8番の交響曲など、録音さえもう少しなんとかなっていたら…と思わずにはいられない出来だった。1990年代に入って、シャンドスの録音はこのような愚はあまり聞かれなくなっていった(あくまで相対的な話)が、ヤルヴィは少しダレたテンポ、未整理のままのサウンドが増えていったように思う。
少し聞いて、辟易としてしまったのはブラームスの交響曲である。冒頭から何を聞かせたいのか全く未整理のまま、ダラダラとただ縦の線をなんとか合わせただけの演奏…。オケはロンドン交響楽団であるから、これはどう考えても指揮者の責任と言わざるを得ない。
デトロイトでの仕事もいくつかあり、ここまでの為体ではないものの、やはり1980年代の彼からすると今ひとつだと思う。プロコフィエフの「ロメ・ジュリ」などはあまりにふやけたテンポでどうしようもないものだった。
そう言えば、先日聞いたチャイコフスキーの交響曲は良い演奏だった。ブラームスは全く私の好みに合わなかったけれど、このドヴォルザーク、チャイコフスキーなどは私の琴線に触れる演奏だった。
by Schweizer_Musik | 2007-04-22 17:24 | ナクソスのHPで聞いた録音
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