トーンハレのグリーグ
津田さんのピアノについて書いていたら、つい聞きたくなって、集めている彼女の録音をいくつかとりだして聞いてみた。
マルタンのピアノと管弦楽のためのバラードが特に心に残った。この寡黙で悲劇的な響きの序奏部に続いて、パックの踊りのような飛び跳ねるような愉しい音楽が続くが、ご主人のダニエル・シュヴァイツァー氏の指揮が冴え、チューリッヒ交響楽団が懸命にこれに応えている。
名盤とされるロデリック・エルムスのピアノ、マティアス・バーメルト指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏(シャンドス)は良いのだが、ピアノが若干集中力を欠く部分があり、オケの充実ぶりについて行っていないところが惜しい。作曲者と親交があり、作曲者自身の指揮での録音もあるベンダによる演奏(ASV/CD DCA 1082)は、骨太な演奏で聞き所満載であるが、スイス・イタリア語放送管弦楽団がまとまりに欠ける響きで、オケがよくない。というわけで、古い作曲者自身の録音以外に、この作品の名演として津田さんとダニエル・シュヴァイツァー氏の演奏をあげるのは順当なところだと思う。ただ、楽団創立記念演奏会のライブ録音ということで、最新のデジタル録音でなくノイズものっているのは残念だ。良い演奏なのに…。ということで、録音までの総合点ではバーメルトのシャンドス盤なのだろうか?
津田さんのことを書きながら、マルタンを聞いていた次第で、その印象をいくつか書いてみた。
また、ヒナステラ(これは何度も書いたのでここでは遠慮しておこう)や大好きなシューマンの「予言の鳥」が入っている交響的練習曲とソナタ第2番の一枚を聞いた。どれも素晴らしい演奏ばかりで心地よい朝となったことは言うまでもない。

ところで、今年はグリーグが亡くなって100年目である。それを記念して、シュヴァイツァー氏が新たに立ち上げた"ORCHESTER21"のおそらくは第一回のコンサートがグリーグを中心としたプロとなっている。
2007年9月4日(ということは津田さんのトーンハレのシリーズの五日後である)にそのトーンハレ大ホールで、ソリストにもちろん津田理子さんを迎えてグリーグの「ペール・ギュント」第1組曲、ピアノ協奏曲、そしてあとベートーヴェンの第4交響曲というプログラムが演奏される。
ああ、無理してでも行くかなぁなどと考え始めている今朝の私であるが…。
by Schweizer_Musik | 2007-05-20 09:49 | 音楽時事
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