ハワード・シェリーのラフマニノフのピアノ協奏曲全集、凄い!!
先日、グレムザーのピアノでラフマニノフの全集を聞いたが、あれは素晴らしかった。カラヤンの振ったラフマニノフ(ピアノはかのW氏)も良かったが、ピアノがショボイというよりオケの出来がピアノを大きく凌駕していて、どう聞いて良いのかわからんというのが正直なところだっただけに、グレムザーとポーランドの巨匠アントニ・ヴィトの指揮はまことに素晴らしいものであった。
で、なんでこんなことを書こうと思ったのかというと、先ほどからハワード・シェリーのピアノ、ブライデン・トムソンの指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の演奏で同じラフマニノフを聞いて、ものすごく感心し、感動したためである。今朝は良いことが続く…。
カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のラフマニノフのように美しい音楽が他にあるとは思えない…などと書きたくなるほどオケは良い。でも、アントニ・ヴィトの指揮するポーランド放送管弦楽団も大健闘していると思う。少し思い出すために聞き返してみたが、やはりオケも第一級のアンサンブルで応えている。
で、ハワード・シェリーの録音であるが、まずピアノが最高の出来だと思った。こんな上手いピアニストだったのかと、今まで彼の録音を何枚か聞いたはずなのに、全然わかっていなかったことに愕然とした。タッチが実に素直で良い響きを出している。
次いで、解釈に無理がない。マニエリズムに毒された、輪郭強調型の演奏には辟易としている私なので、こうした自然で大きくフレーズをとって演奏する態度には心から賛同を禁じ得ない所でもある。
そして、オケが私はかなりヘボな指揮だと思っていたブライデン・トムソンの細部にこだわらない雄大な指揮が、この繊細なラフマニノフの音楽にない何かをプラスして大変良い音楽となっていると思った。アンサンブルが多少雑なのはいつものことだが、表現がベターッとしていないのはありがたい。
実は、私はこのトムソンが指揮しているということで、この録音が良さそうな気がしてはいたのだけれどついつい買いそびれてしまっていた。今日、聞いてみてトムソンもまあまあやるではないかというのが私のこの演奏への評価である。
全集としては、アシュケナージとハイティンクの名盤と肩を並べる名演だと私は考えている。
by Schweizer_Musik | 2007-05-20 11:01 | ナクソスのHPで聞いた録音
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