ジョン・ウィリアムズのシンフォニエッタを聞く
グラモフォンから出ていたペンデレツキのピッツバーグ序曲など、ハンスバーガー指揮イーストマン・ウィンド・アンサンブルの録音がタワーから1000円盤で出ている。これはレコードで所持しているもので、授業用にデータ化(AAC化)して時々使っていたが、これからは良い音で聞かせることができるのは慶賀の至りである。
スター・ウォーズの音楽などで知られるジョン・ウィリアムズが1968年に書いたシンフォニエッタがここに入っていて、LPを買った大学生の時にも、それが聞きたいばかりに大枚2600円を払って買った。
グラモフォンからイーストマン・ウィンド・アンサンブルが出てきたということだけでも嬉しいやらで、びっくりしたものである。
さて、このジョン・ウィリアムズが、一部では前衛的な音楽のように語られることもあるが、そんな前衛的あるいは実験的なことは全くしていないことは前置きで言っておかなくてはならない。とは言え、調性の無い全3楽章は、スター・ウォーズのような親しみやすさを期待して聞きはじめたら、全面的にそれは裏切られることとなる。
急緩急の3つの楽章は、ポリフォニックな展開が多く聞かれ、短2度や長7度の音程のぶつかりが顕著である。しかし、終楽章で弦バスのウォーキング・ベースにフーガ風の展開がおかれるあたりは、この頃仕事として行っていたジャズのアレンジを自作に取り入れたものであると、よく指摘される部分でもある。
イーストマン音楽学校のアンサンブルは、定評あるものだけに極めて優れた演奏を披露している。黛敏郎の彫刻の音楽など、かなり難しい作品であるはずなのに、むしろ透明感あふれる演奏となっているのには驚きを禁じ得ない。
ペンデレツキの「ピッツバーグ序曲」は、私の先生の先生の作品ということもあり、当時はよく聞いたものであるが、私の指向性とはかけ離れていたのか、未だに親しみを感じるところまでは至っていない。
1969年の録音というが、昭和もずいぶん遠くなったものだと、不思議な感慨に浸る。

ウインド・アンサンブルのための作品集_TOWER(企画)/PROA-24
by Schweizer_Musik | 2007-05-31 20:22 | CD試聴記
<< ケンプ・トリオのよるベートーヴェン ケフェレックのラヴェルのピアノ... >>