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ザッヒャーの指揮でバルトークを聞く
パウル・ザッヒャーが指揮したバルトークのディヴェルティメントを聞く。この作品を書くために自ら所有していた山荘にバルトーク夫妻を招待し、一夏を過ごしたバルトークが依頼に応えて書いたものである。
この作品の初演にバルトークは立ち会うことは出来なかったが(第二次世界大戦が起こったからだ)、このパウル・ザッヒャーによって委嘱された作品はバルトークのヨーロッパ時代の最後の輝きとなった。
そのザッヒャーの指揮するチューリッヒ・コレギウム・ムジクムによる演奏である。この団体はザッヒャー没後、現代音楽を専門とする小さな団体となってしまったが(バーゼルの方は解散してしまった…)このアンサンブルを聞く限りは、第一級のアンサンブルであったことがわかる。
彼らの演奏がほとんど忘れ去られてしまったのは大変残念なことで、あの弦・チェレもザッヒャーの委嘱によるもので、バーゼル室内管弦楽団によって初演されたことを思えば、こうも無視するのもどうかと思う。

ディヴェルティメントの張りのある弦のアンサンブルはまことに素晴らしい。第2楽章のバルトーク特有の「夜の音楽」も、変に粘らない、正攻法の演奏でとても良い。
このCDには他にストラヴィンスキーの弦楽のための協奏曲、オネゲルの交響曲第2番など、ザッヒャーの委嘱によって作曲され彼によって初演された作品が3曲入っている。
きっとこのCDも1980年代に出てから一度も(確かザッヒャーが亡くなった時にどれかが出たようにかすかな記憶があるけれど)この形では再発されなかった。実に残念なことである。

パウル・ザッヒャー 委託曲を指揮する_ERATO/ECD 75545
by Schweizer_Musik | 2007-06-07 07:36 | CD試聴記
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