ウィグルスワースの指揮したショスタコーヴィチをいくつか聞いてみた。BISから何枚かショスタコーヴィチの交響曲をリリースしているので、きっと評価が高いのだろう。そう思って聞き始めて面食らってしまった。はっきり言って何を言っているのか、よくわからない演奏というか、耳慣れたショスタコーヴィチがいきなりスマートに着飾って出てきた感じというか、ヒョロヒョロの二枚目?スターのような感じになってしまったのだ。
第5番の終楽章の開始早々のアチェレランドも、何段階かで行われているがどうしても小手先に聞こえてしまうのは悲しい。アーティキュレーションなども私の知っているものと少し異なるところもあり、違和感をずっと抱いたままで、不思議な感覚で聞いていた。第10番はゲンナジ・ロジェストヴェンスキーの指揮でちょっと前に聞いたばかりだったので、冒頭から腰高のサウンドに、重量級の試合に出てきたライト級のボクサーという感じでとても変な印象だった。10番も全く違和感を感じ続けたままであったため、この指揮者によるショスタコーヴィチはここで全く興味を感じなくなってしまった。 これで、ちょっとうんざりしてしまったので、ヤルヴィの演奏で五番と一番、六番とたてつづけに聞いてみたが、こちらは耳慣れたショスタコ・サウンドで安心して聞けた。一番なんて、ロジェストヴェンスキーの超がつく名演があるし、五番などではコンドラシンの全集という決定盤を持っているので、どうかと思った。また、先日聞いて大いに驚き感動したアーロノヴィッチという選択肢もある。歴史的なムラヴィンスキーという大指揮者もいるわけで、私の場合に限って言えばウィグルスワース氏の登板は今後なさそうである。
by Schweizer_Musik
| 2007-06-07 15:51
| ナクソスのHPで聞いた録音
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