春はあけぼの…音楽を聞こう -18. オネゲルの「復活祭の賛歌」
今日は春分の日だそうだ。ということはカトリックでは「復活の主日」ということで、イースターが始まる。春はいよいよ本番となり、間もなく桜が咲く。
これから梅雨のジメジメした気候がやってきるまでの季節が、一年で一番好きな季節である。
さて、せっかくだから復活祭の音楽を一つと思い、バッハの復活祭オラトリオなんて考えていたのだけれど、どうも直球すぎて私の柄ではないと思い、オネゲルの「復活祭の賛歌」を紹介することにしようと思う。
これが今も聞けることを祈りたいところだ。何しろ室内楽と声楽作品、特に宗教作品はCDが出てもすぐに廃盤になるので、こういうものこそ、ナクソスやiTuneでいつでも手に入るようにしてほしいものだ。(残念ながらiTuneで検索をかけても引っかかって来なかった)
冒頭のアレルヤと絹織物のような繊細なポリフォニーをソリストたちが描き、しばらくしてようやく登場したオケが静かにそれに絡み、やがて合唱が出て来る。
オケと合唱、独唱者がいる作品のわりには、この作品はしみじみとした味わいに満ち、後のクリスマス・カンタータの先駆けとして、そう!果てしなく早い時期の先駆けとして指摘しておきたい。
1918年の作品だから、大戦後のパリで書かれたものだと思うが、それから30年あまり経って、オネゲルが至った清浄な世界は、クリスマス・カンタータに結実する。
クリスマス・カンタータが好きな方なら、きっと気に入られるのではないだろうか。まだ「ダヴィデ王」や「夏の牧歌」「機関車パシフィック231」などの初期の傑作を書く前の作品で、こんなに美しい作品を書いていたとは!
敬虔なプロテスタントであったオネゲルの復活節への賛歌ということであるが、冒頭のソロの扱いに、どこかグレゴリオ聖歌の影響が窺われ、興味深いところもある。
私はコルボ指揮ミシェル・コルボ指揮リスボン・グルベンキアン管弦楽団,合唱団の歌で聞いている。(CASCAVELLE/VEL 3091)春はあけぼの…音楽を聞こう -18. オネゲルの「復活祭の賛歌」_c0042908_104537.jpg
かなり前に手に入れたもので、今も売られているのかわからない。

写真はマクロ・モードで撮っていた時、偶然風で揺れてしまい、ちょっと変な写真になってしまった。それが、どことなく味があるように感じ、ここに載せてみた。春らしいちょっとボケた感じ…?
by Schweizer_Musik | 2008-03-20 09:43 | 春はあけぼの…音楽を楽しもう
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