ホルンボーの交響曲全集を聞く
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20世紀デンマークを代表するホルンボーという作曲家は、若くして作曲に専念できる環境に入れたこともあってか、膨大な作品を残した。長生きした(1909年に生まれ1996に亡くなった)こともあるが、晩年、病気がちになっても創作力は衰えなかった。
13曲ある交響曲、20曲ある弦楽四重奏曲などがナクソスにあり、いつか聞こうと思っていたのだが、昨日の夜少し聞いて、今朝、目覚めに一枚あまりの分量を聞き、大体半分は終わった。
私は大分前にBISから出た管楽器のための協奏曲集を偶然持っている程度で、面白そうな作曲家であるとは思ったものの、そのままになっていたため、まだまだホルンボーについて語る資格などないが、交響曲を聞いていて、これほどのシンフォニストが居たとは不明であった。
実に面白い作曲家で、今ようやく第7番に入ったところであるが、ニールセンの影響の下、民謡などを素材とした新古典主義的な作風から出発し(出世作となった第2番はかなりカッコイイ曲で、わが教え子たちも好きになるのではないだろうか?)、次第に持続的にモチーフの展開を目指す方向へと向かっていき、近代モードをとりいれて新しいサウンドを目指し始め、形式もオネゲル風の3楽章制から様々に試み、そして3楽章制へと戻る過程が、交響曲を聞いていると俯瞰できる。
それにしても、こんな面白い作曲家を無視するのはもったいない。初期の第1番や第3番は現代音楽嫌いの方でもきっと好きになると思う。
さすがに7番あたりになると調性感は希薄になる。けれど、今まで聞いた作品で無調の曲は無い。ダルムシュタット楽派がサウンドと理論に傾斜して行く中で、彼は自らのスタイルを守り抜いたと思う。
それはハンガリーのバルトークの高弟、シャーンドル・ヴェレシュに似ている。ヴェレシュのように祖国を失うような悲劇に見舞われなかったが、1950年代以降の彼の音楽スタイルは、当時の音楽シーンに対するアンチテーゼとして実に勇気あるものだったと思う。
ナクソスの存在は絶大だ。これらの音楽を俯瞰する機会を与えてくれる。感謝しつつ、今第7番を聞き終え、第8番に入ろう。
未聴の方にはぜひお薦めしたい!
上の写真は、昨日の朝の光のカーテンである。今朝はどんよりとした空模様である。なんとなくホルンボーの中期の作品に合うかなと思ってこれを選んだ。
by Schweizer_Musik | 2008-03-28 05:49 | ナクソスのHPで聞いた録音
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