ソンドラ・ビアンカの弾くフィールドのピアノ協奏曲他
c0042908_7322085.jpgソンドラ・ビアンカ(Sondra Bianca)を知っているという人はかなりのキャリアの人だろう。私はチャイコフスキーのピアノ協奏曲はこの人ではじめて聞いた。指揮はハンス=ユルゲン・ワルター(Hans-Jurgen Walther)であった。オケはハンブルクのオケだったと思うが、定かではない。
聞き始めたばかりの小学六年生の頃だったと思う。出だしに感動したし、その後のピアノのフレーズも好きだった。しかし、私を魅了したのは主部に入ってからのピアノとオケの息詰まるようなやりとりだった。
その後、リヒテルとアンチェルの演奏を同じく廉価盤で手に入れて、これが名演なのだと言い聞かせつつも、実は何が良いのかサッパリ…で、聞きたいと思うのはビアンカの方だった。
しかし、ビアンカの名前はこれだけでしか知らず、どういう経歴なのか調べる術もないままに今日まで来てしまった。
彼女は1930年11月17日ブルックリンで生まれたアメリカ人のピアニスト。1941年11月1日にわずか10才にしてニューヨーク・フィルハーモニックと共演してカーネギー・ホールにてデビューした所謂「天才少女ピアニスト」だった。
1950年代から1960年代にかけて多くの録音を残しているが(私は上記の録音しか知らない)、その後の活動については不明…である。
硬質なタッチで、バリバリ弾くタイプだが、荒っぽくはならない。生気に満ちた演奏と言うべきだろう。
フィールドは1782年アイルランドに生まれた作曲家。ここで弾かれているピアノ協奏曲第1番は1799年の作曲ということで、17才の時の作品ということになる。
古典派に属するスタイルで書かれた佳作である。メロディーに魅力があり、なかなかに聞かせる。殊に第2楽章に民謡を使って独特の味わいを出している。終楽章ではパグパイプの響きを模してみたりと工夫が諸処に聞かれ、この作曲家がなかなかのセンスを持っていることを示している。いや17才にしてはなかなか…である。
フィールドと言えば、夜想曲であろう。ショパンに影響を与えたこの様式の元祖?だから、ビアンカは5曲ここで演奏している。古典派からロマン派への移り変わる時代を見事に写した録音である。
1957年の録音にしてはややノイズが多いのはともかく、鑑賞の大きな妨げにはならない。ステレオで良い演奏もナクソスにあるので、フィールドを聞くならそちらを選ぶべきかも知れないが…。この辺りがビアンカの限界か?でもいつ頃引退したのだろう?
ちょっと調べてみたけれど、結局わからなかった…。
ハンス=ユルゲン・ワルターの指揮したものなど、もう一度聞いてみたいものがまだたくさんあるけれど、これらはあのコロンビア・ダイヤモンド・シリーズを聞き込んだ者だけのノスタルジーなのかも知れない。

写真は桜もそろそろ終わりに近づいた今朝の大船観音である。こうした大きな像は私には悪趣味に感じられる。昔住んでいた九州の久留米には慈母観音像というとてつもなく大きな像があったけれど、あれなどは悪趣味の典型で、私には景観を壊すものとしてしか映らない。
色んな感じ方をされる方がいるだろうが、夜、暗闇の中にぼんやり浮かぶ像の姿は不気味としか言いようがない。
ヨーロッパなどではああいう大きな像は見たことがない。アメリカはあちこちにあるようだけれど…。
とは言え、毎日見ているとこの大船観音に慣れてしまった…。好きにはなれないし、愛着も全く湧かないけれど、最初の頃のおぞましく感じられた印象は大分薄れてきた。
by Schweizer_Musik | 2008-04-02 07:33 | ナクソスのHPで聞いた録音
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