カサドシュの弾くモーツァルトのニ短調協奏曲
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カサドシュが弾くモーツァルトは全部聞いているつもりだったけれど、今調べてみるとクーベリックと共演した21番だけしか持っていないことが判明!なんということだ!
LPでは全部持っていて、20年以上前はとてもよく聞いたものだが、CD時代になって買いそびれたままになっているみたいだ。ひょっとすると大阪に置いているかも知れないので、今度帰ったら探してみようと思う。
ところで、カサドシュのモーツァルトの協奏曲で人気のニ短調KV.466がないのは随分不可解なことだった。昔、何かで(確かレコ芸の付録だったように思うが)20番が存在したことを知り、ぜひ聞いてみたいものだと思っていたのだけれど、それがナクソスに登場していた。
テーマが個性的な18番も入っていて、1956年の録音だとのこと。オケはジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団で全く危うげなところもなく、9.80000番台の録音の多くにある針音も全くなく、モノラルというだけでとても良い録音である。ステレオ盤で感じたピアノが引っ込み過ぎるという弊害も(あれさえなけれど…)なく、ジョージ・セル指揮のオケもとてもよく録れている。
第18番の終楽章など、かなり入り組んだピアノとオケの駆け引きが面白い曲なのだけれど、このコンビは見事に裁いて魅せる…。うーん、これなら天国のモーツァルトも満足しているのではないだろうか。
第20番は期待通りの名演だ。
カサドシュは決して軽い響きのピアニストではない。硬質で柔らかな響きではないだけである。これがジョージ・セルの指揮によく合う!
古典的な様式美を大切にしながらも、実によく歌う。これがこの演奏の特徴だろう。フレーズはよく息をし、膨らみ、縮む。テンポの変化はほとんどなく強弱の変化だけでこれを印象づけるのはなかなか至難の業であるが、このピアニストと指揮者は見事!である。
第2楽章の中間での表現はまさに鬼神の如く…である。ここまで劇的な演奏はあまり聞いたことがない。まさに息を呑む瞬間であった。
また第1楽章、第3楽章のカデンツァは初めて聞くものであった大体ベートーヴェンのものかフンメル、最近ではゲザ・アンダのものなどが多いが、これはカサドシュの作なのだろうか?主題の展開の仕方が面白く、私は結構気に入った。
この録音があまり知られていないのは、ただただモノラルの録音であるということだったのだろう。ソニーはどうも古いエピック・レーベルの復刻に積極的でないように思うのだけれど、こうしてナクソスで聞けるようになったので良しとすべしか。
モーツァルト好きにはお薦め!

写真は昨日の散歩の途中に撮った山桜(だと思う)。根元の辺りから空を見上げると、チラホラと遅咲きの桜が枝にチラホラと咲いていて、背景の青空ととても良い感じだった。写真だとうまく表せないのでなんとももどかしいのだが、クリックして大きな画面で見ていただけば、その時の私の感動が少しはお伝えできるのでは…と思う。
by Schweizer_Musik | 2008-04-02 10:35 | ナクソスのHPで聞いた録音
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