ピノックによるブランデンブルク協奏曲の新盤
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ピノックの指揮したブランデンブルク協奏曲の新録音を聞く。軽快にして清々しい。あれっ古楽器は嫌いだったのでは?そんなにいじめないで欲しい。良いものは良いのだ。
イギリス、オランダなどの古楽器アンサンブルの腕利きを集めてのスーパー古楽器オーケストラを作っての録音なのだそうだが、上手い!これなら納得できる。
私の頭は頑固で、昔聞いて感動したベルリン室内管弦楽団(東独)の演奏を今も第1に考えているような奴であるが、最近聞いた中では鈴木雅明の録音とともに特に優れた演奏として薦められる。
テンポなど、極端に走ることなく、極めて伝統的な解釈である。極端な表現、極端なテンポ、これ見よがしな表情付けに辟易としている私は、古楽器の演奏の不遜な態度が大嫌いだ。これが正しいなんて言われると「嘘つけ!」と心の中で叫んでしまう。

第3番の第2楽章はヴァイオリン・ソロのカデンツァが置かれ、下手にソナタなどをアレンジしたりするよりも好感が持てる。昔イングリッシュ・コンソートを指揮したアルヒーフ盤もこんなのではなかっただろうか?
水も漏らさぬしっかりとしたアンサンブルは、さすが名手たちのアンサンブルである。見事としか言いようがない。同じ第3番の終楽章の見事なアンサンブルには驚くしかない。
一方で第1番のホルンなど古楽器なのだろうけれど音色に魅力がなく、ナチュラル・ホルンの音色が固く苦しそうである。音程などはナチュラル・ホルンとしては驚異的なテクなのだろうが、やはり美感を逸していると私には聞こえる。
フルートやオーボエなどの木管はそれでもとても心地よい響きで、木質の音色が優しいオーボエが活躍する楽章、作品などでは心から魅了されたことを告白しておかねばなるまい。
またトランペットの活躍する第2番の何とも美しいこと!!David Blackaddeの素晴らしいトランペットは賞賛に値する。これほど軽々と演奏されてしまうと今までの録音は一体何だったのだと思うばかりだ。これを聞くだけでもお金を払う値打ちはある。

豪華なアンサンブルで聞き慣れた第5番は刈り込んだ弦の響きがちょっと物足りないように思いね少々不満。これはどの作品についても言えることで、その代わりに実に軽快な響きを生んでいる。
これは第4番の終楽章で目覚ましい成果をあげている。リコーダーやオーボエのテクニックは抜群で、この少々地味な印象を受けることの多い4番を華やかな作品に生まれ変わらせているが、その終楽章の軽快さと華やいだ雰囲気は品も良く、とても魅力的だ。
だが、何よりも愉悦に満ちた逸品は、人気のあまりない6番だろう!!私の刷り込みとなっているコッホの録音でもこの曲は鈍重で何故バッハはこんな重苦しい音楽を書いたのかと思わざるを得なかった。こればかりは古楽器の勝利だ。なんとも爽快な演奏である。
by Schweizer_Musik | 2008-04-07 07:49 | ナクソスのHPで聞いた録音
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