奏楽堂のリベラ・ウィンド・シンフォニーのコンサートに行って来た
c0042908_1030543.jpg昨日は旧奏楽堂での吹奏楽のコンサートにyurikamomeさんと出かけ、帰りにちょっと一杯…となったので、今朝は完全にお寝坊…である。
少し風邪気味で、昨日飲んで帰って、そのまま油断して寝たのがいけないみたいだ。いや困ったものである。大体休みになると体調を崩す悪い癖がまた出てしまったようだ。仕事があると思うと少しだけ緊張感が残っているからか、こんなことはないのだけれど。

ところで昨日のコンサートは須賀田礒太郎氏の姪にあたるK田さんのご厚意で行かせていただいたもの。二十世紀の日本の作曲家たちによる吹奏楽作品と、その吹奏楽への編曲作品のコンサートで、伊福部昭とその弟子たちの芥川也寸志や黛敏郎の作品などから現代の作品に至まで、実に興味深い作品の数々であった。
特に印象に残ったのは、芥川也寸志の祝典組曲より行進曲。これはマーチの書き方として実にユニークで近代的なハーモニーなどをどう扱うかのお手本のような作品だった。
続いて須賀田礒太郎のフーガのよる舞踏曲。これはフーガの技法を使ってはいるが厳密にはフーガではない。しかし、その扱いは水際立っていてユニーク。単純に近代的な音階などを使ったフーガならいくらでもあるが、こうした構成などは別物で、フーガの技術的なところだけを採り入れて新しい作品に仕上げているあたりが、この技巧派の作曲家の真骨頂というべきだろう。
彼がもっと長生きしていたなら、こうした着想の面白さがもっと磨き抜かれたに違いないと思う。
続いて早坂文推の映画音楽「海軍爆撃機」の音楽。これは戦中の国策映画の音楽であるが、あの円谷英一が特撮監督をはじめて行ったものとして有名で、戦後破棄されたと考えられていたものが最近になって発見され、私の母校である大阪芸大が復元して上演したという映画(但し短縮版だったそうだが)の音楽で、吹奏楽への編曲作品である。しかし編曲が水際だって見事だったこともあり、とても面白かった。
1943年当時、合成音階をこれほど見事に使いこなしていたことにも驚いたけれど、細かな着想がとれもユニークで、私は大いに刺激を受けた。
黛敏郎のシロフォン小協奏曲もまた面白い作品で、一部業界では有名ではあってももっと知られるべき名作だと思った。
松村禎三の交響曲第1番の第三楽章というのもあった(もちろん編曲作品!)が、これはあの小編成の吹奏楽で再現することはやや無理があった。
後半のプロでは伊福部昭のSF交響ファンタジー第2番が指揮者の福田滋の編曲であったが、これはなかなか面白い作品であった。さすが伊福部昭である。彼の特撮映画音楽は例の全集のおかげで全て聞いているが、聞きなじんだメロディーが次から次へと流れていくのは嬉しかった。第2番はやや渋い作品が多いけれど、まとまりという点で、第1番よりもあると思った。
印象に残ったのは以上であるが、最後にアンコールのように演奏された黛敏郎の有名なスポーツ行進曲を私ははじめて実演で聞いた。トリオのない行進曲であるのはNTVのニュースのための音楽であるからだが、こうした作品をサラリと書ける人が、色々と実験的な音楽を作り、新たな領域を獲得しようとしたから意義があったのだと、今更ながらに思った。

昨日は芸大の新しい方の奏楽堂では聲明とオーケストラのコンサートも行われていたそうだが、そちらも行きたかった…。娘が大学時代にお世話になった松下功先生が作曲、指揮をされたそうだ。
意義深いコンサートが上野の森で2つ行われた夕であった。
by Schweizer_Musik | 2008-04-28 10:21 | 音楽時事
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