曲名 : シンフォニエッタ (1948) 演奏者 : ミキス・テオドラキス指揮 フランクフルト国際室内管弦楽団 このアルバムは こちら 昨日の疲れがとれず、今日は一日休むことにして、音楽を聞いて過ごそうと思う。 ギリシャの作曲家、テオドラキスの作品が大量に、それも一気にアップされたので、それを聞かなきゃと思っていたところなので、まずそれから書こうと思っていたところに、ヴィオラを弾き、作曲・編曲をする教え子のN君から鰹のタタキが届く。 冷凍物のタタキであるが、なかなかに美味であった。深く深く・・・感謝! で、気分が大変良くなったところで、音楽を再び聞いているところである。 シンフォニエッタはテオドラキス23才頃の作品。彼は映画音楽で有名なだけに一貫して美しいメロディー、あるいは親しみやすいハーモニーで音楽を書き続けた音楽家である。 10代の時、ベートーヴェンの第9を聞いて作曲家になろうと思い極め、音楽の勉強をアテネ音楽院で終え、奨学金を得てパリ音楽院に留学するのだが、小国ギリシャは第二次大戦のイタリア、ドイツの侵攻、そして終戦の後の内戦、更にファシスト独裁という時代を経験しており、こうした政治の問題にテオドラキスは積極的に行動したため、幾度となく逮捕、拷問を経験している。 私が彼を知ったのも、エラート・レーベルから出ていた「テオドラキスを救う」とかいうLPで、大学生の頃だっただろうか? と言っても、その内容は私のあまり関心を抱くものでなかったこともあり、名前だけ知っている作曲家となり、ギリシャの作曲家と言えばせいぜいクセナキスの名前が出て来るだけであった。 再発見は、シャルル・デュトワが「ゾルバ」などのCD。その前に確か交響曲第7番「春」を聞いて、再びこの作曲家への関心を持ち始めたこともあり、話題のiTunestoreでダウンロードしたものである。 それについては以前に書いたので、こちらを参照されたい。 このシンフォニエッタ、投獄されたり、拷問を受けたりとなんだかんだと大変な青年時代のテオドラキスのなかなかの力作で、フルートとピアノと弦楽という編成で美しいメロディーと重厚なサウンド、エキゾチシズムあふれる世界が広がる音楽である。 作曲者自身の指揮ということで、若干心配したけれど、彼の指揮はまずまずである。フランクフルト国際室内管弦楽団のアンサンブルは、かなり荒削りであるが、それがアクセントとなっているので、意外と聞かせる力演と言えよう。 フルートとピアノはもう協奏曲のように活躍する。協奏曲のようなオケとの対立軸にソロをおいていないということで、シンフォニエッタなのだろう。 私は第2楽章のスケルツォのひんやりと冷たい高揚感が、とても面白かった。ナクソスに入っている方は一度お聞きになってはいかが?
by Schweizer_Musik
| 2008-07-05 12:08
| ナクソスのHPで聞いた録音
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