プレガルディエンの歌う室内楽編曲版の「冬の旅」
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作曲者 : SCHUBERT, Franz Peter 1797-1828 オーストリア
曲名  : 歌曲集「冬の旅」D.911 (1827) (W.ミュラー詩) (N.フォーゲットによる室内楽編)
演奏者 : クリストフ・プレガルディエン(ten), ヨセフ・ペトリク(accordion), ペンタエドレ他
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不思議な編成のアレンジで、アコーディオンが活躍し、それに木管などが絡む編曲が基本で、曲によってはコーラスがハーモニーをつけていたりとフレシキブルな編曲である。
昔、ハンス・ツェンダーのかなり手の込んだアレンジを聞いたことがあるが(確かCDだったように思う…)あの時は面白いと思う反面、ちょっとついて行けないところもあったが、このアレンジも(N.フォーゲットという人がどんな人なのかも私は知らないが…)単に興味本位だった。
聞き始めてしばらくして驚いたのは、曲順がかなり入れ替えられていることである。どういう理由なのかは、解説がないのでわからない。こうしたところは原語のままでも良いから解説というか、ライナーがないとどういう意図なのかわからない。
しかし、私はこのアレンジがとても気に入った。とにかく変にオーケストラが鳴り響くものではこの漂白の孤独感は出せないのではと思っていたからだ。
その点でこの寡黙にして洒落た味わいはとても面白く、ついつい聞き通してしまった。
それはプレガルディエンの極めて優れた歌唱ゆえであろう。
大分前に、この人がハンマーフリューゲルの伴奏で歌ったものを聞いたことがあるが、それはとても美しいものであったけれど、この録音で聞く完成度には達していなかったと思う。それほどこのアレンジ版での彼の歌は素晴らしい!
完璧なコントロールの効いた発声とビロードのように美しいテノールは、アーノンクールのマタイで聞かせたエヴァンゲリストの完璧に歌唱のその人のものであることに気がついた。
この巧妙な語り口によって、私は「冬の旅」の新しい世界を聞いた気がする。最初、ちょっとだけ違和感があったのにすぐにそれはなくなった。ただ曲順だけは理解できない。ストーリーがあるのだから…。

写真はチューリッヒのリンデンホーフの丘。春まだ浅き三月の曇った日の風景である。
by Schweizer_Musik | 2008-07-10 16:38 | ナクソスのHPで聞いた録音
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