ヤンドーの弾くクーラウのソナチネ
作曲者 : KUHLAU, Friedrich 1786-1832 独→デンマーク
曲名  : ソナチネ色々
演奏者 : イエネ・ヤンドー(pf)
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大体、この類の録音は全く興味がなく、仕事で仕方なくエッシェンバッハだったかのLPを聞いたことはあったけれど、手元に置いたことはなかった。
昔々のピアノを習い始めた頃、ウンザリさせられた同工異曲というイメージであったのだけれど、ソナタ形式の説明には使いやすいので、フリードリヒ・クーラウのOp.20-1とOp.55-1の2つのハ長調のソナチネはいつでも辿々しくはあっても弾ける状態にしてある…。
ドーミーソーという単純な分散和音ではじまるOp.20-1は、モーツァルトの有名なK.545のソナタと同じモチーフなのだが、その聞こえ方の違うこと!!モーツァルトのは分散和音と主音を巡る上下の音の2つの動機を組み合わせていて、分散和音の部分がとても伸びやかに聞こえるのに対して、分散和音をドミソ、ソドミと主和音を転回してからシレファと属和音を分散させるという、ただの分散和音だけで構成されたクーラウのものとは、あまり並列に比べるようなものではないことは承知しているものの、その違いに愕然としてしまう。
モーツァルトの方は、とてもまじめに作ったとは思えない内容なのに、どうしてこんなにも魅力を発散するのだろう!それに対して、実直に作り上げたクーラウのつまらなさ…。
ヤンドーの演奏はリズムが崩れ気味で、古典を弾くというのにこれではちょっと?であった。とは言え、昔、これらの曲を一生懸命練習した日々をちょっと懐かしく思い出してみたりした。

絵は印象派の画家、ピエール・ボナールのもの。子供がなんとも可愛い…。
by Schweizer_Musik | 2008-09-26 12:44 | ナクソスのHPで聞いた録音
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