食欲の秋だ!…音楽を聞こう -32. 間宮芳生のセレナーデ 1971
作曲者 : MAMIYA, Michio (間宮芳生) 1929- 日本
曲名  : セレナーデ 1971
演奏者 : 平田恭子(sop),徳永二男(vn),堤久美子(vn),江戸涼子(va),西内荘一(vc),岩崎淑(pf)
CD番号 : 日本の室内楽_TOWER/NCS 637〜8

タワー・レコードの企画によるもので、大学生の頃に聞いて、声とは何か、歌は何が出来るのかということにもの凄く悩んでいた時に聞き、衝撃を受けた作品がタワー・レコードから復刻した。
これは大推薦のCDである。私はネットで注文をしたが、たった1500円でこれが買えるのだからホントに良いの?と訊きたくなる…。

それはともかく、ここにあるものは、声による一種の室内協奏曲である。ベル・カントではなく、地声に近いものなど、発声について様々な試みが成されているだけでなく、室内楽も極めて斬新な響きを求めており、これと芸能山城組による「地の響」の二枚のアルバムは当時の私が毎日、聞き続けたものであった。
私は、ここからどれだけ多くのものをもらったか計り知れない。私はこれとは全く違う音楽を書いているが、今も聞いて強い影響力があると思う。
この歌を聞いて、美しいと思う私は「ちょっとおかしな奴」と言われたけれど、この激しくも豊穣なロマンの世界を、私は美しいと思っている。

間宮芳生氏には、オーケストラのためのセレナードもあるけれど(それも名作だった…)私は彼の様々な作品の中で、この曲に最も深く、強い感銘を受けた者である。
それがCDになった。すでにCD化されていたのかは知らないが、今回、ノイズのないCDで聞いて(今までLPからデータ化したもので我慢してきた…。もちろんLPもこれは今も手元に置いてある)CD化の有り難みを強く感じた次第である。
この二枚組にはスカルソープの弦楽四重奏曲 第6番 (1965)を厳本真理四重奏団が演奏したものや、矢代秋雄の (1954-55)など、極めて興味深い録音が多数入っている。お徳用盤である。
現代音楽に興味のある方に限るけれど、お薦め!である。
by Schweizer_Musik | 2008-10-06 05:36 | 食欲の秋だ!…音楽を聞こう
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