2008年 04月 17日 ( 1 )
春はあけぼの…音楽を聞こう -32. 橋本國彦作曲 組曲「三枚繪」
少しばかりすっきりしない天気が続くようで、今日も午後から雨と予報が出ている。
昨日はくたびれ果てて、夕食を摂った後、速攻で就寝…。早く寝すぎたためか何度か目を覚ましてゴソゴソしたものの、結局朝寝坊して六時過ぎに起き出した。
朝日はなく、どんよりとした空気が支配的である。

橋本國彦が作曲した組曲「三枚繪」(1934)を聞いてみる。1曲目が雨の道、2曲目が踊子の稽古帰り、そして3曲目が夜曲というタイトルがつけられている。
私が聞いているのは花岡千春というピアニストが弾いたディスク(Bellwood Record/BZCS 3031)であるが、楽曲解説でどういう経緯で作曲されたのか、いつ頃書かれたのかなど知りたい情報が何もなくてがっかりだったけれど(ホント、聞けばわかるようなことをライナーでせっせと書く奴の気が知れない…)中身は実に興味深いものばかりで1930年代の日本が意外なほど進んでいたことを知るディスクであった。
3曲のピアノ小品がまとめられた橋本國彦のこの組曲「三枚繪」は、彼の唱歌風の作品を聞いていた耳には驚くばかりにドビュッシー風のピアニズムが溢れ、当時としては極めて斬新な作品に聞こえたと思われる。
3曲目の「夜曲」は少々冗長に感じられなくもないけれど、途中に全音音階を使って響きに変化をつけたり、第1曲の「雨の道」はドビュッシーなどとは異なる雨の世界を、描いていてとても興味深く感じられた。
雨をこのような情緒的にとらえたのは、明らかに日本人の感性のなせる技と思われる。ペンタトニック風の部分とダイアトニックの部分が交差し、時折増音程を混ぜて全音音階風に感じさせたりする。
第1曲と第3曲はあきらかにメロディーを紡ぎ出すことよりも、サウンドへの興味が勝り、音楽はやや散文的になってはいるが、日本人の感性にストレートに訴えかける何かを持っていると思う。
第2曲もドビュッシーの影響は明らかではあるが、動的でテーマに特徴があり、とても面白い。
c0042908_11872.jpg演奏は切れ味という点でやや鈍い感じがするものの、これらの知られざる作品を紹介してくれたことに深く感謝を捧げたいものである。ただ、解説は作品の紹介でもあるのでデータをしっかりと書いてほしいものだ。曲についての感想など別に読みたくはない。

写真は火曜日、授業を終えての帰り道、後楽園の駅近くの公園で撮ったもの。この日はとても良い天気で、木漏れ日がなんとも美しく思えて夢中でシャッターを切ったものである。
by Schweizer_Musik | 2008-04-17 10:35 | 春はあけぼの…音楽を楽しもう