2008年 04月 30日 ( 5 )
楽譜が届く
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先日、ネットでアメリカに注文した楽譜が4冊届いた。アルバン・ベルクのクラリネットとピアノのための4つの小品、ヴィラ=ロボスのブラジル風バッハ第2番と第5番、それにバルトークの弦楽四重奏曲全曲である。
また、KAWAIの方から第2版が一冊、著者献本として送られてきた(多分著者献本だと思う…何も書いていなかったので、ちょっと不安だけれど…。
お昼に、テレビでやっていた松茸の味お吸い物とエリンギを使ったスパゲッティをつくって見た。そして久しぶりにジン・トニックとでお昼を頂いた。その後だったので、多少アルコールでしびれた状態で早速ヴィラ=ロボスのブラジル風バッハ第2番の分析をはじめる。リズムの縮小などに最初興味を奪われたが、意外なほどアバウトな作り(これは見る前からわかっていたこと)に驚いている。
オネゲルのように推敲に推敲を重ねて仕上げた作品と違い、一筆書きの勢いが魅力である。第5番は一点、かなりの精緻な響き、ポリフォニーが特徴だが、こちらは散々アレンジ譜でお目にかかっているが、こうしてちゃんとしたスコアで読むのははじめて。
アルバン・ベルクはスコアを失ってしまい(これこそ以前持っていたのに…)引っ越しで再び買うはめになったもの。
バルトークは何曲かは持っているが、一冊にまとまっているものが欲しくて購入。
個人輸入はドルの安さを実感させられる。これだけを国内で買うと軽く2万円は越えるけれど、送料を含めて145.80ドルであった。

私の曲の楽譜は、今度津田さんに差し上げることにしよう。以前にKAWAIから頂いた本は一冊は学校の資料室に差し上げ、一冊は手元にある。もう一冊持っていても仕方がないので、ピアニストの方に差し上げた方が良いかな…と思った次第。
写真は、今朝の一枚から。毎度同じような写真ばかりで、恐縮…。
by Schweizer_Musik | 2008-04-30 15:38
若葉の季節…音楽を聞こう -05. バックスのウクライナの五月の夜
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またまたバックスで恐縮であるが、ロシア組曲の第2曲にノクターン「ウクライナの五月の夜」という美しい作品があるので、リムスキー=コルサコフと同じようなタイトルでありながら、ちょっと趣の異なる作品ということで紹介しておきたい。
リムスキー=コルサコフの音楽に暖かく心地よい五月の空気が感じられるが、バックスのこの作品は夜の神秘性がより強く感じられる。和声もリムスキー=コルサコフよりもずっと近代的になっているのは当然としても、感じられる肌触りというか、受ける印象がどこか似通っているのは面白いと思う。
1919年の作品ということだが、番号をつけていない交響曲「春の炎」という作品はすでに書いていたものの、1921年に書き上げられる交響曲第1番の前の作品ということになる。
この作品が聞かれるバックスの管弦楽法は誠に見事としか言いようがないほどで、彼がオーケストラ作品の分野で、高い技術をすでに身につけていたことを物語っている。
その基礎的に部分の多くが、リムスキー=コルサコフに負っていると私は感じている。伝記などを読んだわけではないので、詳しいことはわからないけれど…。
しかし、リムスキー=コルサコフはストラヴィンスキーやラヴェル、レスピーギなどの近代管弦楽法を確立し、多くの大作曲家たちに影響を与えたことだけでも、その業績はどれだけ高く評価してもしすぎるということはない。
ちなみにストラヴィンスキーの「火の鳥」は、リムスキー=コルサコフの延長にあると見なすべきだ。
様々な変遷があったとは言え、ストラヴィンスキーは一生この延長にあったと私は考えている。
話がずいぶん横道に逸れてしまったが、この作品はNMLにあるので、入会している方はぜひ御一聴をお薦めします。第1曲の「ゴパック」、第3曲の「ヴォトカの店で」もなかなか良い曲。
by Schweizer_Musik | 2008-04-30 11:51 | 若葉の季節…音楽を聞こう
若葉の季節…音楽を聞こう -04. ヨハン・シュトラウスⅡの「シトロンの花咲くところ」
c0042908_1175093.jpgヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツ「シトロンの花咲くところ "Wo die Citronen blüh'n"」Op.364 (1874)もとりあげておかないと…と思い始めて、今朝撮った花の写真とともにアップしておく。断るまでもないが、これはシトロン(レモン)の花ではない…。
このワルツは「春の声」などと同じように、ソプラノの独唱と管弦楽のための版もあり、私はこちらの方がずっと好きなのだ。グルベローヴァのものやリントが歌ったものもあるが、今も手にはいるのだろうか?
NMLにもソプラノ版があるが、マリリン・ヒル・スミスのソプラノはスープレットの可愛い声で曲に合っていると思う。高音部で若干発声が荒くなるのはいただけないが、まっ我慢して聞くことにしよう。ポラックの指揮するスロヴァキア放送ブラティスラヴァ交響楽団の演奏は、あまりチャーミングではないけれど、誠実でエドリンガーなどのマルコ・ポーロ・レーベルお抱えの指揮者たちのどうしようもない腰の重さはなく、この分野ではさすがに手慣れた演奏をしてくれる。
オケのみならばやはりロベルト・シュトルツ指揮ベルリン交響楽団の演奏が最も美しい。弦がメタリックに聞こえるのはちょっと時代がかったものだが、それさえ我慢すれば、音楽として勢いもあり、よく考えられたバランスで、とても美しい。
ボスコフスキー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の録音は録音が自然で良いのだけれど、少しサラリの流したようなところが好みを分かつように思う。
マルコ・ポーロの全集のVol.2にあるアルフレッド・ワルター指揮のものは、よくまとめていて特に不足はないが、表情が前2者に比べ平板に感じられる。しかし、二流扱いでポロくそに言うほどでは決してない。丁寧な仕上げでこれはこれで私は十分満足している。

ところで、レモンは五月の他にも八月、十月頃にも咲くので、五月の花というのもどうかと思うが、アルプスの北側に住むドイツ系の人々にとってあこがれの土地なのだそうだ。確かに、バカンス・シーズンに暑いのに何故かルガーノではドイツ系の人が目立っていた。
ヘッセやワルターもルガーノに住み、お墓もこのルガーノにある。今年はどこかで時間を作ってルガーノの街を久しぶりに歩いてみたいものだ。
by Schweizer_Musik | 2008-04-30 11:25 | 若葉の季節…音楽を聞こう
若葉の季節…音楽を聞こう -03. シュトラウスⅡのワルツ「おお、美しき五月よ」
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ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツ「おお、美しき五月よ "O schoner Mai!"」Op.375 (1877)を取り上げよう。
あまり演奏されない作品ながら、チャーミングなメロディーに魅了させられる作品。ヨハン・シュトラウスがいかに優れたメロディー・メーカーだったかを痛感させられる。
一般的なワルツ集でこの作品が入っている可能性は限りなく"0(ゼロ)"に近い。
もともと喜歌劇「イェルザレムの王子」の挿入曲として書かれた作品なのだが、どうしてこんなに人気がないのかは不明。ただ、ウィーンの超人気音楽家であったロベルト・シュトルツが録音したワルツ大全集にはこの作品が収められており、この演奏が今もって私にとって最高の録音である。
NMLにあるマルコ・ポーロ・レーベルのヨハン・シュトラウスⅡ世の全集ではVol.4にこの作品がリヒャルト・エドリンガー指揮 スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で入っているけれど、シュトルツの演奏と比べる水準にはない。リズムは重く、表情は平板でアンサンブルは今ひとつの代物…。ほとんど別の曲に聞こえてしまう。
こうして比べてしまうと、シュトルツが録音しておいてくれたことを、心から感謝せねばならないだろう。
ヨーロッパでは「五月」は春と夏が一度に来る。スイスの多くの日本人が訪れるグリンデルワルドの丘は一面がクロッカスの花で埋め尽くされ、雪解けを祝福していることだろう。
皆、夏のバカンスに備えをはじめ、薫る風に季節の移り変わりを感じているのではないだろうか?
カルミナ・フラーナも五月から始まる。そんなことを思いながら、この素晴らしいメロディーをシュトルツの棒で聞く喜び!これぞ音楽の楽しみ!である。

上の写真は今朝の散歩の時の朝日に輝く林を写した一枚である。季節、時間、天候によって同じ道、同じ風景が千変万化していく。表情の様々な変化を楽しむのも散歩の楽しみだ。だからロクな運動になっていないのは問題なのだけれど、気分はとてもよろしい!
by Schweizer_Musik | 2008-04-30 10:53 | 若葉の季節…音楽を聞こう
若葉の季節…音楽を聞こう -02. リムスキー=コルサコフの歌劇「五月の夜」序曲
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写真は昨日の黄昏時に散歩に出て撮った一枚。この林は落葉樹の林なので、季節感を感じるにはうってつけなのだが、昨日は蚊がかなり出てきたのには驚いた。しばらく写真を撮っていたけれど、この蚊の出現で早々に退散することになった。季節はもう初夏である。
さて、この新シリーズ第2弾は、リムスキー=コルサコフの歌劇「五月の夜」序曲を取り上げようと思う。
1880年に初演されたこのオペラ、全曲は聞いたことがなく、私はもっぱらこの序曲だけであるが、意外によく書けた作品で私は結構気に入っているのだけれど、みなさんはどうだろうか?
リムスキー=コルサコフは私の知る限りで16作の歌劇を書いており、他にもムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」や「ホヴァンシチナ」、ボロディンの「イーゴリ公」などの補筆・改訂(一部にはいらざる「改悪」と言う人もいるけれど…)をしたりと、この分野のオーソリティーだったことは意外に知られていない。
大体、19世紀の帝政ロシアの末期は、革命前夜はいざ知らず、歌劇やバレエが音楽の花形であったのだから、チャイコフスキーをはじめ作曲家という作曲家はオペラでの成功を夢見ていたのだ。
だから、歌劇作品は力の入り方が違うように思う。
この「五月の夜」も彼のオペラ作品としては比較的早い時期の作品ながら、入念に作品を仕上げており、管弦楽作品としてもかなりの熟練の技が聞かれる作品である。
民話を題材としたものだそうで、ロシア独自の音楽文化を創り上げようという彼らの思想を表したものだとも言えるが、シェエラザードやアンタールのようなエキゾチシズムよりも普遍的な語法によるもの。
その点が、この作品を地味な存在にしているのかも知れないけれど、ウクライナの民謡などを積極的に用いていて、チャイコフスキーなどの作品の完成度に迫る逸品だと思う。
物憂い楽想が、ふわふわと舞う綿のような花弁のように(六月頃になればモスクワはそうした白い綿のような花だったか種子だったで、街が白くなるほど…である。ちょっとした私の思い出から…)流れ、穏やかな「五月の夜」を歌い上げる。終わる少し前に少し激しい部分はあるけれど、それも長くは続かず穏やかな音楽に吸収されていく。
民謡を素材として用いたため、若干テーマ間の対比が乏しく、平板に感じられるかも知れないが、そうした問題をゴロフチン指揮モスクワ交響楽団はよく補っていると思う。
オケのアンサンブルに若干の問題は残っているけれど(管楽器が全体に硬く、表現がせせこましい…。それに弦のピッチが若干甘く感じられる)やる気のなさ気なヤルヴィのシャンドス盤よりもずっと良い。
ディヴィッド・ジンマン指揮ロッテルダム・フィルの録音はとてもうまくクリアしていた名演だったけれど、今も手に入るのだろうか?ちょっと心配ではある。
by Schweizer_Musik | 2008-04-30 08:59 | 若葉の季節…音楽を聞こう