2009年 06月 03日 ( 1 )
ヤコブ・ギンペルのショパン・リサイタル(1978年パサデナ・ライブ)
作曲者 : CHOPIN, Frédéric François 1810-1849 ポーランド
曲名  : 前奏曲 Op.28
演奏者 : ヤコブ・ギンペル(pf)
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あまり録音が残されていない名ピアニスト、ヤコブ・ギンペルのリサイタルの様子を全編聞くことができるもの。1978年5月11日カリフォルニア州パサデナで行われたコンサートのライブ音源である。従って、ステレオとは言え、若干解像度の悪さは覚悟せねばならないし、ライブゆえのノイズも仕方ないだろう。
しかし、あえてここに取り上げたのは七十代に達したこの名ピアニストの輝くようなピアノの響きである。このような響きの良いピアノ演奏は、かつてルービンシュタインの演奏で聞けたものだが、彼もその名声を得るだけの資格を持っていたピアニストだったと思う。
こういう音で聞く「雨だれ」なんて凄まじいものだ。ただ、それに続く17番あたりは明らかに弾き切れていない。さすがに年には勝てないということなのかも知れない。
1906年生まれというヤコブ・ギンペルはマルクジンスキーなどの伝統に属するが、今日の若手はギンペルよりもずっと上手にバリッと弾きこなすが、ここに込められた濃厚な味わいはそこからは滅多に聞けないものである。
アルフレッド・コルトーの古い、ミスも多少入っている録音が、今も好まれるのはこうした味わい故なのだろう。
こんなことは私が書くまでもなく、多くの人か語って来たことである。だが、このギンペルの演奏わ聞きながら、久しぶりにこんなことを思った。
大好きな第16番から第18番の並びを何度か聞き返しながら、このピアニストのベートーヴェンがあったはずと思い出して探している最中である。
この貴重で手に入れにくかった音源も、ナクソスにアップされている。なんという時代なのだろうか?いやありがたい時代に生きているとつくづく思う。
アンコールではドビュッシーなども弾いているが、私はアルフレッド・コルトーなどの味わいにも似たショパンのワルツ第2番がとても印象に残った。

しかし、長々と拍手を聞かされるのはちょっとうんざりだ。ライブ音源でこれが一番疲れる。臨場感を演出したいのか、ただ編集がめんどうだったのかわからないが…。
by Schweizer_Musik | 2009-06-03 07:58 | ナクソスのHPで聞いた録音