2009年 06月 20日 ( 3 )
ダイアモンドのロメオとジュリエットのための音楽(1947)
作曲者 : DIAMOND, David 1915-2005 米
曲名  : ロメオとジュリエットのための音楽 "Music for Romeo and Juliet" (1947)
演奏者 : ジェラード・シュワルツ指揮 ニューヨーク室内管弦楽団
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ロメオとジュリエットのための音楽ってどれだけあるのだろうか?何年か前、アレンジしたプロコフィエフのバレエが私には印象深いが、チャイコフスキーにも幻想序曲という名であるし、ベルリオーズに交響曲がある。
グノーのオペラは先日DVDで見たばかりだけれど、より有名なのはベルリーニの「カプレーティとモンテッキ」だろう。
マイナーとの謗りを受けるかも知れないが、ヨアヒム・ラフに序曲があるし、タニェエフに歌曲がある。
直接的には違うけれど、ディーリアスの歌劇を思い出す人もいるかも知れない。他に、何種類もあるそうだけれど映画がある。私はオリビア・ハッセーがジュリエットを演じたゼッフィレルリ監督のものしか知らないけれど、あの音楽(ニーノ・ロータ作曲)は良い音楽だったし、中学時代はよく聞いたものだ。
最近もディカプリオなどが出演して映画が作られているそうだが、私は知らない。
さて、デイヴィッド・ダイアモンドは、アメリカの極めて保守的な作風の作曲家として知られる一人である。1997年までニューヨークで教鞭を執っていたのだから、ちょっと驚異的だ!
全部で5曲。

第1曲 序曲 "Overture" : Allegro maestoso
第2曲 バルコニーの情景 "Balcony Scene" : Andante semplice
第3曲 ロメオと修道僧ローレンス "Romeo and Friar Laurence" : Andante
第4曲 ジュリエットと彼女の乳母 "Juliet and her Nurse" : Allegretto scherzando
第5曲 ロメオとジュリエットの死 "The Death of Romeo and Juliet" : Adagio sospirando

この作品はプロコフィエフなどよりずっと保守的だ。ハーモニーなどは近代のそれであるが、調性はしっかりと守られていて、難解さは全くない。
数年前に音楽監督をしているシアトル交響楽団の楽員による解任騒動があったシュウォーツであるが、今も同団の音楽監督であり続けているようで、あの後どうなったのか…。ただ、当時の解任の騒動もレバートリーの問題だったようで、ベートーヴェンやモーツァルトを中心で良いと思っている楽員が、新しい曲や知られざるアメリカの作曲家の作品を積極的にとりあげる姿勢に対して起こしたものだったようだ。
私などに言わせれば、こうした知られざる作品をどんどん録音してくれることには心から感謝をし、支持したいと思う次第ではある。
この演奏も、決して平凡というものではなく、とてもよくまとまっていて聞きやすい。「ジュリエットと彼女の乳母」での若いジュリエットのコケティッシュではつらつとした姿を描いたあたり、プロコフィエフの作品と聞き比べてみてほしい。決して劣るものではないと私は思う。
by Schweizer_Musik | 2009-06-20 21:32 | ナクソスのHPで聞いた録音
初演者ギーゼキングによるプフィッツナーのビアノ協奏曲
作曲者 : PFITZNER, Hans 1869-1949 独
曲名  : ピアノ協奏曲 変ホ長調 (1922-23)
演奏者 : ヴァルター・ギーゼキング(pf), アルベルト・ビットナー指揮 ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団
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初見で演奏したとか色々と伝説のあるこの作品の初演の話はともかく、その逸話の主によるソロの録音が残っていたとは知らなかった。Music & Artsというレーベルはこうした歴史的な演奏をずいぶん復刻しているが、その中でも特筆できるものではないだろうか?
録音も1943年12月6日のものとしては、まずまず満足できる水準にある。やや不自然なステレオ感が気になるが、オリジナルがステレオだったのだろうか?
私が持っているのはマルコ・ポーロ盤で、演奏はよくやっていると思うが、細かな部分が荒削りで、デリケートな表現に欠けるのが不満だった。が、このギーゼキング盤はそうした所はさすがと言うべきで、ライブ特有のノイズはともかく、全体としては十分満足できる水準にある。
この曲はブラームスの第2番の協奏曲と同じ構想で書かれている。第2楽章にスケルツォを持ってきた4楽章制で、調性は英雄的な響きを持つ変ホ長調。とくれば、作曲者が理想としていた「英雄主義ドイツロマン主義」の典型として書かれたものと容易に推察できるものであろう。
第2楽章など、マルコ盤のウォルフ・ハーデンのピアノは明らかに弾けてない。それに比べてギーゼキングの美しいこと!!他で聞いたことのないアルベルト・ビットナーなる仁の指揮によるハンブルク・フィルハーモニーの演奏も実によろしい。ただ解像度の点で劣るぐらいであろう。ただ、この無窮動風のスケルツォ、私には少々ぐとい。もっと短くても良かったと思うのだが…。(これは壮大な第1楽章にも言えるが、こちらはそれほどではなかった。長いなとは思うけれど…笑)
緩徐楽章となる第3楽章でのギーゼキングの夢見るような美しいタッチには誰もが魅了されるに違いない。
貴重な音源である。送れてきた後期ロマン派の生き残りの音楽に、難しいことは言わずに耳を傾けよう。
by Schweizer_Musik | 2009-06-20 18:38 | ナクソスのHPで聞いた録音
ロジェ=デュカスの喜劇「煙突掃除人」のための管弦楽のスケルツォ
作曲者 : ROGER-DUCASSE, Jean 1873-1954 仏
曲名  : 喜劇「煙突掃除人」のための管弦楽のスケルツォ "Le Joli Jeu de Furet scherzo pour orchestre"
演奏者 : レイフ・セーゲルシュタム指揮 ライン・プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団
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「魔法使いの弟子」の作曲家とは別人で、もちろん血縁関係にもない人だが、そのデュカスの後任としてパリ音楽院の管弦楽法の教授となった人である。
前任のデュカス同様、厳しい自己批判によって基準に達しない作品を破棄したため、残された作品は少ないが、クオリティの高さは格別であり、傑作揃いである。
この作品の鮮やかな色彩感はどうだろう!!聞いていてむせ返るような香気に、スパニッシュな風味が加わっているけれど、なんとも清々しい。
この傑作のCDはこれ以外に聞いたことはない。いや、ロジェ=デュカスの作品のCDそのものが、ほとんどないのだ。一体これはどういうことか!
マルコ・ポーロ・レーベルに二枚の管弦楽作品のCDがあったけれど、市場ではすでに入手困難となっているやに聞くが、ナクソスにレーベル移行して、一枚になってしまったが、今も入手可能であることは喜ばしいことである。
無駄にベートーヴェンの交響曲のCDを作る金があるなら、こうした曲を優れたオケと優れた指揮者で録音して、上手にプロモーションをして売ってはどうか?
音楽文化の一端を担う企業の社会的責任を果たしてほしてものだ。どことは言わないが…。
by Schweizer_Musik | 2009-06-20 09:05 | ナクソスのHPで聞いた録音