2009年 06月 23日 ( 1 )
レーガーのソナチネ第1番
作曲者 : REGER, Max 1873-1916 独
曲名  : 4つのソナチネ 第1番 ホ短調 Op.89-1 (1905)
演奏者 : マルクス・ベッカー(pf)
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レーガーとしてはずいぶん規模の小さな作品で、なるほどソナチネだなと思うが、彼のピアノ作品はテレマンの主題による変奏曲の他はあまり聞いていないので、CD12枚分もあることに驚いた。43年の生涯で膨大な仕事をしたことに、改めて驚かされ、その仕事のほんの少ししか私は知らないことに深く反省した次第。
第1楽章はもちろん伝統的なソナタ形式で書かれているが、ソナチネでは縮小されることの多い展開部が提示部とほぼ同じ長さを持っていて、堂々たるソナタだと言っても良いほどである。
また難しいことで知られる彼のピアノ曲らしく、聞いた感じではそれほどでもないが、やはりかなり高度な演奏技術を要求する作品となっている。
第1、第2のそれぞれの主題が一時的転調を含むなど、ソナタのテーマとしてはかなり難しい処理を必要とする主題構成であるが、展開はさすがよくまとめられていて、プロ中のプロが書いただけのことはあると思った。
第2楽章は同主調のホ長調で書かれた主題と変奏。装飾変奏であるが、ホ短調に転調する第3変奏がちょっと動機に分解されて展開を行う手の込んだもの。
第3楽章は一種のカプリッチオーソである。平行調との間を行き来する戯けた主題が飛び回る。ロンド・ソナタ形式で書かれ、A-B-A-C-A-B-A-Codaという形式を持っている。
学習者用のつもりなのかどうかは分からないが、伝統的な枠内で書かれていて、この重厚・長大な作風の作曲家がメンデルスゾーンやシューマンに繫がる系譜の中に居たことを示す作品である。
マルクス・ベッカーのピアノは極めて優れていて、この作品とはじめての出会いを幸せなものにしてくれた。彼の録音した、このレーガーの全集?を聞くのは朝から実に楽しい事であった。
by Schweizer_Musik | 2009-06-23 07:32 | ナクソスのHPで聞いた録音